日本の伝統芸能の一つ、狂言。
年配のファンが多い中、Z世代にも気軽に見てもらおうと企画されたユニークな狂言会を取材しました。

客席からあふれる笑い声。
室町時代に完成した伝統芸能「狂言」は、庶民の生活や世相を滑稽に描いた喜劇です。

年配のファンが多い中、なじみの薄い若い人にも気軽に狂言を鑑賞してほしいと始まった「ふらっと狂言会」。

主宰は、Z世代の六世野村万之丞さん(28)です。

「ふらっと狂言会」主宰 狂言師・六世野村万之丞さん:
何十年先を考えた時に、今の同世代、若い人、まだ狂言を見たことがない人に、狂言の良さを知らせるための公演をつくりたいと考えたのがきっかけ。

多くの来場者で長蛇の列ができたこの催し。
会場には若い世代が多く見られました。

Z世代を意識して20代以下のチケット代は2000円。
通常の狂言会より価格を低く抑えました。

また、公演の直前には“解説タイム”を作って、初めての人にも分かりやすく狂言の楽しみ方をアドバイス。
開演前後や休憩中にはファンへのおもてなしも。

舞台で使われる衣装や扇などを手にしながら、狂言師と一緒に写真が撮れる体験フォトスポット。
若手の狂言師が売り子となり、オリジナルの狂言グッズを対面販売するコーナーも。

さらに終演後、狂言師と握手や会話、写真撮影ができる交流イベントも行いました。

この日初めて狂言を鑑賞した若い観客からは「すごく笑って楽しくて、また来たいと思った」「言葉遣いとか意外と現代に通ずるものがあり、楽しく見ることができた」といった声が聞かれました。

今回5度目となる「ふらっと狂言会」の観客は30代以下が40%という異例の多さ。

舞台上で演じていても、若い観客のパワーを直接感じるといいます。

「ふらっと狂言会」主宰 狂言師・六世野村万之丞さん:
(Q.Z世代の反応は?)ワーッというスカッとした笑いが聞こえてきて、私たち舞台上の演者も若いんですけど、客席もやっぱり若いエネルギーが満ちあふれていると演じていて感じる。

Z世代の狂言師と観客が織りなす新たな狂言の世界。

次回は2025年10月に開かれる予定です。