北陸新幹線「小浜・京都ルート」の早期着工を目指し、小浜市で新たな住民参加型の組織が5月に発足します。これに先立ち、組織を立ち上げるメンバーらが杉本知事と面談し支援を求めました。
        
杉本知事と面談した住民参加型の組織「若狭の未来を実現する会」は5月16日に発足します。
 
25日は、会長を務める小浜商工会議所の井田浩志会頭や顧問を務める小浜市の杉本和範市長ら会のメンバー7人が出席、「小浜・京都ルート」の実現に向け、住民レベルでも早期開業を後押ししていきたいとしました。
 
井田会長は「住民の方々と様々な事業を重ねて、地域一体となって機運の情勢を測るとともに、さらに発電所立地地域として国に対して強い要望を行っていきたい」と話しています。
 
またこの日、会から杉本知事に「特別顧問」への就任が要請されると、杉本知事は「この会は、これからまずは勉強して中央要請する。機運の醸成もする。さらにいろんな情報発信もしていく。これには大賛成。特別顧問は喜んでやらせてもらう」と語りました。
 
また対案とされる「米原ルート」について杉本知事は「米原ルートは相互乗り入れが難しく、福井までの所要時間は1.4倍、料金は1.5倍。片道で約3000円高くなる」と述べ、現実的でないとの認識を示しました。
 
「若狭の未来を実現する会」は、小浜商工会議所を中心に企業や団体、住民の幅広い参加を呼びかけていて、すでに小浜市、美浜町、高浜町、おおい町、若狭町に100の企業と団体、個人で200人が加盟の意向を示しています。

井田会長は「知事には力強い言葉をもらった。知事の思いも受けて若狭地域住民一同で早期実現を目指していきたい」と話し、杉本小浜市長は「政治側で進めにくいところを住民の声があがるというのは、国も進めていくうえで力強い後押しになる。私としてはこのタイミングで声が上がってきた団体ができるのは大変意義がある」と話していました。
 
5月16日には設立総会が開かれ、その後7月までに、小浜ルートの歴史や意義を学ぶ勉強会を実施し、年末にかけては認可着工に向けてシンポジウムや講演会、広報活動を本格化させ、米原ルートの難しさなどを訴えていく方針です。
 
「小浜・京都ルート」をめぐっては、京都府内の一部住民から地下水への影響を懸念する声もあり、国や関係自治体との調整が今後の課題となります。
 
「若狭の未来を実現する会」は、住民の声を結集し、国に確実に届けていく活動を強めていくとしています。

福井テレビ
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