新型コロナウイルスの影響を受け世界は激変した。
各特派員が世界の今をリポートする。(第22回)

加速する「脱韓国」

世界の「脱韓国」が進んでいます。2019年に韓国から撤退した外国企業の数が前の年のおよそ3倍となる173社に上ったことが分かりました。最も多いのは日本企業の45社です。2019年7月の輸出管理強化をきっかけとした日本製品の不買運動が長期化する中、「韓国への投資リスクを避けたい」という企業が早々に見切りをつけた形です。一方、欧米企業の撤退が増えている背景について地元メディアは「最低賃金の急激な引き上げなど企業に負担を強いる政策や影響力の強すぎる労働組合の存在が重荷となっている」と報じています。外資系企業の韓国離れ加速は、韓国経済の先行きに暗い影を落としています。(ソウル支局 川崎)

100メートルの絵画

ここサトーン地区にある水路沿いの壁には動物や、船などの色とりどりの絵画が100メートル以上に渡って描かれています。この地区はもともとバンコク有数のオフィス街として知られていますが、路地に入ったこの運河周辺は人通りが少なく、治安も心配されていました。タイ人の芸術家たちが趣向を凝らした鮮やかな色彩の壁画によって、街の雰囲気もぐんと明るくなりました。地元では新たな観光スポットとして、観光客を呼び込む起爆剤にしようと意気込んでいます。(バンコク支局 武田)

サトーン地区の壁に描かれた100メートルの絵画
サトーン地区の壁に描かれた100メートルの絵画
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観光客を呼び込む起爆剤になるか
観光客を呼び込む起爆剤になるか

自宅のポストに「郵便投票」

大統領選まであと50日を切りましたが、一部の州ですでに投票が始まっています。それが、「郵便投票」です。すでに投票が始まっている激戦区のノースカロライナ州で投票の様子を見せてもらいました。記入はすべてマークシート。大統領だけでなく、議員などの欄を塗りつぶしたら、本人と、立ち会った証人の署名をし、切手を貼るだけ。この地域では自宅の郵便受けに投函すると、職員が回収しに来てくれるので、自宅から一歩も出ずに投票完了です。コロナ対策で前回の2倍近くに増える見通しの郵便投票、不正や集計の遅れなどの懸念もあり、波乱が予想されています。(ニューヨーク支局 中川)

トランプ大統領も賞賛

菅総理の誕生はここアメリカでも、新聞の一面で大きく報じられました。アメリカメディアは、菅総理を「アンクル・レイワ」つまり「令和おじさん」と紹介。日本では以前から「影の首相」と呼ばれ政治力を発揮してきたが「外交手腕は未知数」などと伝えています。一方、トランプ大統領は「あなたの人生は素晴らしい。とてつもない仕事をするだろう」と手放しで賞賛しました。外交は「ゼロからのスタート」ともされる菅総理。11月の大統領選でどちらが勝つにせよ、良好な日米関係を維持できるのか、その手腕が問われます。(ワシントン支局長 藤田)

5Gの披露なし

新型コロナの状況下でも業績を伸ばし続けるアップルが、恒例の新製品発表会を異例の形で開催しました。これは2019年9月の発表会の様子です。アップル本社に世界中のメディアが集まり、ものすごい熱気です。しかし、今回はオンラインでの開催となり、事前に撮影された映像が流されるシンプルな形となりました。それでも「アップルウォッチ」や「アイパッド」の新モデルが紹介され、作りこまれた映像のクオリティの高さがファンの心をくすぐりました。一方、5Gへの対応が注目された新しいアイフォーンは披露されず、10月にも改めて発表会が開かれると予想されています。(ロサンゼルス支局長 益野)

演劇の聖地

マンマ・ミーアやライオンキングといった日本でも有名な作品の看板が並んでいます。この演劇の聖地West end地区に遂にミュージカルが戻ってきます!政府は8月に劇場再開の許可を出しましたが、入場制限などから上演しても赤字になるため、休業が続いていました。実は、10月の再開が決まったこの作品「Everybody’s Talking About Jamie」も2週間の限定公演で、レ・ミゼラブルなど他の作品は再開の目処が依然たっていません。
「The Taming of Shrew」衣装担当フローレンス・マクリンさんはこう話します。
「オペラ座の怪人ですら再開出来ないほどのお金を失いました。私の多くの友人はパブやショップで働いてつないでいます。彼らは本当に才能があり、キャリアも非常に素晴らしい人たちなのに関係者そしてファンは安全な方法で再開するのを待ち望んでいると思います」(ロンドン支局 小堀)

10月の再開が決まった作品「Everybody’s Talking About Jamie」
10月の再開が決まった作品「Everybody’s Talking About Jamie」

文化遺産の日

9月の第3週めの週末、フランスは毎年恒例の「文化遺産の日」を迎えます。この日は、普段は見ることができない歴史的建造物などが各地で公開され、大統領府であるエリゼ宮も内部を一部公開するなどして盛り上がりを見せます。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が進む地方でのイベントは中止される他、エリゼ宮も訪問客の人数を通常の1万5000人から5000人に制限されます。一方、マグカップなどが人気の「エリゼグッズ」は今年も販売される予定です。売り上げは、エリゼ宮の修復や維持のために使われることになっていて、今年はどのアイテムが人気を獲得するかも話題です。(パリ支局長 石井)

トルコでカツオが豊漁

トルコで漁業が解禁となりイスタンブールの港は関係者で賑わっています。今、船からアジがどんどん積み降ろされています。夜明け前のまだ月の明かりが照る中、港には漁を終えた漁船が次々と戻ってきます。船から降ろされた魚は隣接する魚市場に運ばれ、直ちに競りにかけられます。魚市場の中に来ています。カレイやエビなどたくさんの海の幸であふれていますが、特に2020年はこのカツオが豊漁だということです。魚市場の人は「今年は魚のとれ具合いがいいい。去年より増えているよ」と話してくれました。トルコの漁業組合は、2020年の漁獲量は2019年の46万トンを上回るだろうと予測しています。(イスタンブール支局長 清水)

「お帰り!」ナワリヌイ氏

猛毒を盛られたとみられ、意識不明だったロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏が回復しました。反政府系の新聞は「お帰り!」との大見出しで歓迎しています。ナワリヌイ氏は8月、飛行機の中で体調が急変し、一時、重体に。ドイツに移送され治療を続けていましたが、最近家族との写真を公開し、ロシアに戻ってプーチン政権の汚職を暴く活動を続ける意向を示しました。また、ナワリヌイ氏の支持者側は体調が急変する前に泊まっていたホテルから旧ソ連軍が開発した「ノビチョク」系の毒が見つかったと発表。真相は依然闇の中です。(モスクワ支局長 関根)

「GoTo夜の街」

こちらは北京市内にある伝統的な商店街、前門です。多くの人が訪れ、賑わいを見せています。
中国では全国各地で、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ消費を喚起するため、政府主導のキャンペーンが行われています。中でも「GoTo夜の街」キャンペーンとも言える取組に注目が集まっています。北京市内のナイトクラブではおよそ1500円の飲み物を10分の1の価格でサービスする店がある他、大規模な音楽イベントも開催されています。また、タクシーが夜間半額で乗れる時間帯も設定されるなど、夜の街にも活気にあふれた日常が戻りつつあります。(北京支局 木村)

イマドキの老後

上海では9月9日からスポーツ施設の利用料を、地元政府が補助するキャンペーンが始まり、こちらの施設も賑わいをみせています。実はここ、高齢者専用のスポーツジム。使われている器具は、利用者の身体の特性にあわせたものや過度な負担がかかりにくいものばかり。上海市内にあるこうしたジムの多くは、繁華街ではなく、まだ古い町並みも残る「社区」と呼ばれる地域の中に作られています。地元の高齢者がわざわざ遠出しなくてすむことも人気の理由です。健康を保ち、イマドキの老後を楽しみたい。そんな願いはどの国の高齢者にとっても共通なようです。(上海支局 森)

【取材:FNN海外特派員】

国際取材部
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