春に活動が活発になるカラス。「カラスによる被害に悩まされている」という報告も聞かれる中、取材にあたった福村翔平記者もその一人です。

福村翔平記者:
カラスによるごみ荒らしに悩まされていたんですが、3月に放送した特集の中で、専門家に聞いた対策をその通り行ったところ、被害がなくなりました。

ただカラスによる被害は他にもあり、今回被害に悩む現場を取材しました。

暖かくなると増えるカラス被害…。
福村記者の家でも燃えるごみの収集日の度に、ごみを荒らされる被害に遭っていました。そこで3月にその対策を聞きに東京の専門家のもとへ伺いました。

東京大学総合研究博物館・松原始特任准教授:
一番効くのは、物理的に触らせない。金属製のごみ入れのボックス、ああいったものがあればカラスは絶対に手を出せない。

対策を実践したところ…。

福村翔平記者:
「物理的に触らせない」という対策をとったことで、このところカラスによる被害は確認されていません。

福村家に平穏が訪れました。
しかし、カラスによる被害は多岐にわたります。
例えば…。

福村翔平記者:
あちら、高いところに枝の塊が見えます。どうやらカラスが電柱の上に巣を作ったようです。

電柱の上に巣作り…春はカラスの繁殖の時期で、巣作りもピークを迎えます。

東京大学総合研究博物館・松原始特任准教授:
電柱にも作ります。送電鉄塔みたいな鉄骨を組んだ構造物はよく使います。

この巣作りで引き起こされるのが、「停電」です。
巣の材料である木の枝や針金などが、電線に接触することで送電が止まってしまいます。

配電設備を管理する中国電力ネットワークによると、島根、鳥取両県で確認された鳥の巣は、2024年1年間で1600個、2025年もすでに600個で、巣が原因の停電は2025年で6件発生しています。
直近では4月17日に浜田市で140戸が停電。
また6年前には松江市役所で停電が発生し、住民票や戸籍謄本の発行ができなくなるなど、業務に支障が出たこともありました。
このため中国電力ネットワークでは、巣を見つけ次第撤去を続けています。
22日は、松江市鹿島町で撤去作業がありました。

作業員が高所作業車に乗り込み、巣に接近します。

作業員:
金物なし、見える範囲は何もないですね。撤去可能です。

感電の恐れがある針金などがないことを確認。つかみ棒を使って、慎重かつ大胆に…。撤去作業は30分ほどで完了しました。

作業員:
異常なし、出来上がり良し。

作業員:
電気が生きた状態での作業になるので、近隣の方が停電になる恐れもあるので、安全に作業することを一番心がけてます。

カラスは一度巣を作った場所を覚え、撤去しても同じところに巣作りすることが多いため、この日は巣作り防止の器具を設置する工事も合わせて行われました。

中国電力ネットワーク担当者:
停電というのは、みなさまの生活に影響を及ぼすことがあるので、出来るだけそういったことがないように事故停電の防止に努めていく。

カラスは、鳥獣保護管理法で許可なく捕獲・殺傷することは原則禁じられています。
カラスの生態を把握しつつ、人間の生活への悪影響を最小限に抑える地道な努力が続いています。

福村翔平記者:
「カラスに巣作りをやめろ」と言うわけにもいきません。どう共存していくかが大事になってきます。巣が作られた電柱の下には、枝がたくさん落ちているなど異変があるということです。
中国電力ネットワークでは、巣を見つけた場合、絶対に自分で処理しようとせずホームページ上のチャット機能を使うなどして連絡してほしいとしています。

TSKさんいん中央テレビ
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