
トランプ大統領は2月8日、自らのツイッターで2度目の米朝首脳会談を今月27日、28日にベトナムの首都・ハノイで開催すると発表。協議に向けて調整が本格化している。
韓国政府は「具体的で実質的な進展を期待する」と会談開催を歓迎し、国連の経済制裁で再開できずにいる、北朝鮮の開城工業団地の南北共同事業などを制裁の例外として認められるか協議の行方に注目している。文在寅大統領の悲願でもある「南北経済共同体」実現を大きく左右するからだ。 文大統領もベトナムに駆け付けるのではと一部メディアで取りざたされるなど北朝鮮重視が続いているが、一方で、文在寅政権による日本バッシングが止まらない。
文大統領のバランスを欠いた北朝鮮重視

韓国文政権での日本バッシングの原因には文大統領のバランスを欠いた北朝鮮重視に問題があると、ハドソン研究所の上級顧問、パトリック・クローニンさんは分析する。アメリカ・ワシントンで話を聞いた。
Q:韓国軍によるレーダー照射や、徴用工の問題など、反日的ともとれる対応が増えていることについて。
A:一連の問題は、文大統領が北朝鮮に夢中になるあまり、日本との関係を軽視し、朝鮮半島や北東アジアにおいて日本が大きな役割を果たす必要性を軽視していることを如実に物語るものだ。レーダー照射問題に関しては、日本側が韓国の艦船になぜレーダー照射をしたのか?何をしているのか?聞いているのだから沈黙を守るのではなく返事をするべき。こうしたルールで合意し徹底することが必要だ。それに従わない者があれば、その将校や乗組員は所属する軍によって責任を問われるべきである。
日本が(韓国のレーダー照射の)証拠を公表したことが韓国国内に政治的反発を誘ったのかもしれない、それによって文政権が反論ビデオを掲載せざるを得ない状況になったとも考えられる。いま日本は韓国の国内政治ゲームに巻き込まれている。そして、それは健全な状態ではない。文大統領は、金正恩委員長に対して示す寛容が、日本に対してはない。それは(文大統領の)優先順位のつけ方の失敗であり、指導力が欠如しているともいえる。
日米韓が協力して取り組むべき課題が北朝鮮であり中国の問題

Q:日韓関係が悪化の一途をたどっているが打開のために何ができるか。
A:アメリカは戦略的なリーダーシップを発揮すべきで、2つの主要な同盟国に対して、起こったことが何であれ、3か国にとって重要なことは、この問題に引きずられないこと。我々にはもっと重要な問題がある、それは北朝鮮であり、中国である。3か国が協力してできることはそれぞれが個々に取る行動より大きな結果が得られる。日本に立ち向かうことが韓国にとって気持ちよく感じることであろうと、文大統領の偏った政策にはちょうど良いものであろうと、韓国の国益にとっては絶対にプラスにならない。韓国の長期的な国益を考えれば正に災難だ。

【執筆:FNNワシントン支局 藤田水美】