建物の天敵、シロアリ。
春の訪れと共に活動を活発化させます。
知らず知らずのうちに広がる被害。その実態を取材しました。
茨城県の築45年の木造住宅。
3月、模様替えのためベッドを動かしたところ、畳が黒くなっているのに気が付きました。
住民は「これがシロアリだとは思わなかった」と話します。
黒いしみは、実はシロアリが畳を食べた跡。
戸建て住宅では湿気の多い場所や、日当たりが悪い場所を好み、特に風呂場や和室で被害が多いといいます。
株式会社アサンテ技術施工員・栗澤寛之さん:
湿気が強いところ、周りに木材(がある)だとか食べられやすい環境があると、新しい家でも関係なく入ってきてしまう。
この家を調査したところ、家屋全体への影響は少なく、和室に被害が集中していました。
シロアリがさらに侵入するのを防ぐために、柱などに穴を開けて薬剤を注入。
床下にも薬剤をまいて、作業時間は4時間ほどで終了しました。
普段の生活では分かりづらいシロアリ被害。
その気付くポイントについて、栗澤さんは「床がぐわついてきた、扉が閉まりにくくなったなど、古くなったからかなと思うようなことがあれば、もしかしたらということもあるので」と話します。
一方、こんな取り組みも。
人の100万倍の嗅覚を持つといわれている犬。
特別に訓練されたシロアリ探知犬のサラとアリスはシロアリの匂いを検知すると、頭を縦に振って知らせてくれます。
サラが反応したケースの中を見てみると、そこにはシロアリが。
この能力を生かして調査が行われたのが、1300年以上の歴史を誇る神田明神です。
犬は、人が入ることのできない床下や、壁の中にいるシロアリを匂いで探知できるため、特に取り扱いに慎重さが求められる文化財などの調査に適しているといいます。
今回の初めての調査では、幸いにも、シロアリは見つかりませんでした。
神田明神 権禰宜(ごんねぎ)・加藤哲平さん:
さらに10年、50年と残していきたい建物。神社としても注意深く(シロアリ)調査していければ。
だんだん暖かくなり、シロアリの動きが活発化する季節。
被害の拡大を防ぐためには早め早めの対策が必要です。