全国トップクラスの高さである長野県内のガソリン価格の適正化や、中山間地のスタンドの維持などを検討する会議が3月27日、長野県庁で開かれました。ガソリン価格を事前調整していた疑惑が浮上している県石油商業組合は、メンバーから外れています。
阿部守一知事:
「ガソリン価格の問題、SSの維持存続の問題、県民のこれからの暮らしを考えた時には極めて重要な課題だと思っております」
会議は、県内のガソリン価格の適正化や、中山間地のスタンドの維持・存続などを検討するもので、県のほか、資源エネルギー庁や県商工会などの担当者が出席しました。
全国トップクラスの高さが続く長野県内のガソリン価格。3月24日時点のレギュラー平均価格も192円で、高知・山形に次ぐ全国3番目でした。
高さ要因について、全国石油商業組合連合会の担当者は、「製油所からの距離が遠い」ことを挙げました。
全国石油商業組合連合会・川浪淳さん:
「長野県で売られている燃料油の多くは神奈川県内で製造されたものが貨車で運ばれてくる。(隣県より)長野県の事業者の方が配送料は高いと回答をいただいているので、そういった要因は間違いなくあるのではないか」
また、24日時点のレギュラー平均価格が178.9円だった岩手県を例に挙げ、「大手事業者がなく競争が弱い」ことも高さの要因に挙げました。
全国石油商業組合連合会・川浪淳さん:
「岩手県については販売のボリュームは(長野県と)あまり変わらないと思うが、岩手県はどんどん価格が下がっている状況がありまして、これについては大手業者が多くいるため」
続いて、過疎地域のスタンドの維持・存続では、栄村の村長などが実情を訴えました。
栄村・宮川幹雄村長:
「(新潟県の)津南町、十日町市に行くと価格がかなり違う。給油所がなくなると精神的にも、除雪とか、工事とかいろいろな面から大変になる」
王滝村・越原道広村長:
「工事や森林整備で使う軽油の売り上げでなんとか経営しているのが実態。観光客はほとんど入れない現状」
今後、他県での事例も参考にしながら、具体的な対策の検討を進めます。
阿部知事:
「経営の規模拡大であったり、合理化であったり、SS特有の課題もあると思うので、時機を失しないような対応をしっかり考えていきたい」
会議には当初、県石油商業組合も参加する予定でしたが、加盟する複数のガソリンスタンドで価格を事前調整していた疑いについて、「説明責任を果たしていない」として、県は、組合をメンバーから外しています。
組合の幹部は27日のNBSの取材に対し、「説明責任を果たすようなプロセスづくりを進めているところ」としています。