2024年9月、越前市内の歩道で父親を車ではねて殺そうとしたとして、殺人未遂の罪に問われた20代の男の裁判員裁判で、福井地方裁判所は25日、男に懲役2年6カ月の判決を言い渡しました。
父親を車ではねて殺害しようとしたとして殺人未遂の罪に問われたのは、越前市帆山町の無職・佐野友昭被告(25)です。
判決によりますと、佐野被告は2024年9月、越前市のハピラインふくい武生駅前の歩道に立っていた60代の父親を殺そうとして、軽乗用車を時速約21キロで運転しはねたものです。父親は全治約6カ月の重傷を負いました。
25日の裁判で内山孝一裁判長は「被害者まで5メートル足らずの距離からアクセルを踏み込んで躊躇なく衝突させたことや、停車後に倒れていた被害者の腹部を数回蹴るなどの一連の行動から見て取れる、被告人の殺意は決して弱いものではない」としました。
その一方で、佐野被告が家庭環境から親に対して不満やストレスを抱え込んでいたことが犯行の一因となっていることや、被害者である父親は被告人を許し、執行猶予付きの寛大な判決を望んでいることなどから、検察の懲役5年の求刑に対して懲役2年6カ月の判決を言い渡しました。
弁護側は、控訴するかどうかは被告人と協議して検討するとしています。