国道158号の通行止めによって物流への影響はあるのか、また、早期全線開通が期待される中部縦貫自動車道の工事の進捗への影響も懸念されます。取材しました。
県内大手の運送会社「ラニイ福井貨物」、関西や中京方面を中心に食品や機械をなどを運んでいます。この会社では「158号はほとんど運行していないので、影響はない。カーブが多いし、道も悪く、安全性を考えて運行の計画に入れてない」と話します。
ラニイ福井貨物によると、国道158号では携帯の電波が繋がらないところもあるそうです。また、雪などにより北陸道が通行止めになった際も、多くは富山県と愛知県を繋ぐ東海北陸道を使うため、運送のルートとして国道158号を使うことは少ないということです。
このほか、県内の複数の運送会社に取材したところ「通常の運送でまったく使わない」「ルート変更により名古屋への運送が普段より30分長くかかるが、出発を早めるなどして対応している」といった回答が多く、物流が滞るという状況にはなっていないようです。
一方で、今回の通行止めにより懸念されるのが国道158号と並行する中部縦貫自動車道への影響です。福井と岐阜をつなぐ中部縦貫道は、現在、福井県側が九頭竜ICまで、岐阜県側は白鳥ICから県境までが開通していて、残すは九頭竜ICから県境となる油坂の開通を待つのみとなっています。
当初は2026年春に全線開通する予定でしたが、2024年に橋を架ける工事で強度不足の恐れが発覚し、建設を担う近畿地方整備局は工程の見直しを余儀なくされ、全線開通が遅れる見通しとなっていました。
「改めて開通時期を発表する」とした目途は”2024年度末”、まさに今、そのタイミングを迎える中、今回の長期通行止めが開通時期のさらなる遅れにつながる恐れもあります。
県の高規格道路課は「現時点では、国から2024年度末としている開通時期の発表を変更するという連絡は来ていない。これまで同様に1日も早い全線開通を期待している」としていますが、中部縦貫道の工事に携わる奥越のある運送会社では「工事現場への資材の運送がストップしている状況」と話します。
目途とする年度末まで半月を切った中での今回の国道158号の「通行止め」、中部縦貫道の全線開通に何らかの影響を与えそうです。