突然の辞任劇

オオシバくん:
ゴーン被告の弁護人が辞めちゃったね
平松デスク:
驚いたよね。
元東京地検特捜部長の大鶴弁護士は、逮捕以降ずっと弁護人を務め、ゴーンさんの一番の味方のような発言を続けてきたからね。14日には、裁判官、検察官、弁護士による、初めての三者協議が予定されていたから、まさに、突然の辞任劇だよね。
『無罪請負人』の登場
オオシバくん:
なぜ辞めちゃったの?
平松デスク:
かたち上は自分から辞めたことになっているんだけど、辞めざるを得なかったんだ。実は、ゴーン被告は、大鶴弁護士以外にも、『無罪請負人』としてむちゃくちゃ有名な弘中惇一郎弁護士を弁護団に入れようとしていたんだ。だから、大鶴弁護士は辞めちゃったんだと思うよ。

オオシバくん:
どうして辞める必要があったの?
平松デスク:
大鶴弁護士と弘中弁護士の間には、ある因縁があるのさ。弘中弁護士は、かつて陸山会事件で政治家の小沢一郎さんの無罪を勝ち取ったことがある。あの陸山会事件で、検察側の捜査責任者の一人が大鶴弁護士だったんだ。要するに、かつては敵と味方だった間柄ということ。しかも大鶴弁護士としては、無罪を食らった相手だから、とても同じ屋根の下で弁護活動はできない、って訳さ。呉越同舟も無理な関係ってこと。

不当な身柄拘束の事情を明らかに
オオシバくん:
ゴーン被告は、2人の間柄については知ってたのかな?
平松デスク:
それは分からないな~。
ただ、ゴーン被告は大鶴さんの弁護方針には賛成していたものの、およそ3カ月も続いている勾留生活にはむちゃくちゃ不満を抱いていたみたいだよ。ゴーン被告は、弁護士辞任について周囲の人に、『無実をはっきりさせるためだけでなく、不当な身柄の拘束に至った事情を明らかにするためだ』と説明しているらしいよ。
表面上は辞任なんだけど、実際は、長期勾留を許したことを理由に辞任させられたと言えるかもね。

オオシバくん:
じゃあ、弁護士を代えたらゴーン被告はすぐに保釈されるの?
平松デスク:
その可能性はほとんどゼロだね。今の状況では、誰が弁護人になろうと変わらないさ。まぁ年度末に向けて、ゴーン被告が、サウジルートとは別のオマーンルートで再逮捕される可能性もあるから、勾留期間はもっと伸びるんじゃないのかな~。
【解説:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏】
【イラスト:さいとうひさし】
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