コメの価格は下がるのか…農水省は備蓄米の放出に向けた入札結果を14日に公表します。
この備蓄米は県内にも保管されています。
倉庫の内部を取材しました。
13日、BBTのカメラが入ったのは、県内にある備蓄米の専用倉庫。
農林水産省の委託を受けて30キロ入りの玄米が13万8000袋保管されています。
約8万人分の年間消費量にあたり、銘柄は県産のコシヒカリやてんたかく、てんこもりが中心です。
*長島記者
「うず高くコメ袋が積み上げられていますが、中には空調設備もついています。きょうは比較的気温の高いですがダウンを来ても少し寒いくらい、温度や湿度が一定に保たれています。そして、地震でも崩れにくいようにやや台形状に積み上げられています」
倉庫は年間を通して15度以下、湿度は60%から65%に保たれるよう、空調管理が徹底されています。
*長島記者
「倉庫の中全体が黄色っぽいが柱にまで断熱材が吹き付けてあります」
この米が今回、放出されるかはわかりませんがなかには入札対象になっている令和5年産のコメも保管されていました。
こうした倉庫は全国に約300カ所ありあわせて91万トンの米が保管されています。
*江藤拓農水相
「在庫がある程度さばけるまでは、店頭価格が下がらないという事情はあるかもしれない。今は入札の最中、いい方向に需給が緩和され、価格も安定することを望んでいる」
農水省によりますと、全国のスーパーでの米の平均販売価格は上がり続け直近の1週間は5キロあたり3952円となっています。
備蓄米の放出で値下がりに転じるか注目です。
一方、県内の農家は複雑な心境を抱いています。
*富山市の農家 喜多千晶さん(25)
「減反が減って去年よりもコメの作付面積は増えた」
5年前、祖父の農地を受け継いだ富山市の喜多千晶さん。
オンラインショップなどで個人に直接販売することもあります。
*富山市の農家 喜多千晶さん(25)
「問い合わせはほぼ毎日。個人客からのコメを買いたいという問い合わせが9割」
今年はこうした問い合わせが多く、いまは個人への販売を見合わせています。
そのなか決まった備蓄米の放出。
喜多さんは、米不足の解消に期待する一方、米の価格が下がりすぎる懸念があるといいます。
*富山市の農家 喜多千晶さん(25)
「皆さんが購入するコメが少しでも値下がればいいなと思うが(備蓄米が)流通しすぎてあまりに米価が下がると、資材や軽油・灯油も値上がりしている、こうした経費を考えるとそれなりの値段でないとやっていけない」
農林水産省は、初回分の入札結果を14日公表するとしていて、価格が落ち着かない場合には、予定している21万トンを超える備蓄米の放出を検討しています。
備蓄米は3月下旬にも店頭に並ぶ見通しです。
ただ、コメの値下がりがみられるのは5月以降になると話す専門家もいて、先行きは不透明です。