3月11日、東京・新宿区高田馬場の路上で佐藤愛里さん(22)を刃物で刺したとして、栃木県小山市の職業不定・高野健一容疑者(42)が現行犯逮捕されました。

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現場は、JR高田馬場駅から240mほど離れた場所にある住宅街の一角。多くの通行人が犯行の様子を目撃していました。

路上には、被害者のものとみられる血痕が残されており、警察官がスマートフォン用の自撮り棒を手にしていました。佐藤さんは刺される直前、路上で動画ライブの配信を行っていたとみられます。

事件直後に容疑者を目撃したという人は…。

事件直後を目撃した人:
騒然としていました。(午前)9時55分に外が騒がしくて行ったら、もう女の人が倒れていて、血だらけで。その後、警察が来て「犯人は?」みたいになって、「僕でーす」みたいな感じで、そのまま捕まっていっちゃいました。(容疑者は)めっちゃ落ち着いていましたよ。

さらに別の目撃者も、犯行直後の容疑者が“落ち着いているように見えた”と話します。

事件直後を目撃した人:
(叫び声を聞いて)ブラインドを開けたら女性が倒れているのが見えて、その女性に対して男性が話しかけているというか、何か落ち着いて様子を見ている感じだったので、(当初は)交通事故でもあって(女性を)介助しているのかな?っていうふうに思って。

スマホで被害者を撮影?犯行直後の容疑者

「めざまし8」が入手した、警察に連行される高野容疑者を捉えた動画を見ると…。

複数の警察官に囲まれながら、抵抗したり、取り乱したりする様子はなく、淡々と警察官に従っているようにも見えます。

高野容疑者を目撃した人:
警察が1台目パトカーが来た時に声が聞こえて。何だろう?と思って見に行ったら、そしたら、もう結構人がいて。その時には(女性は)もう倒れていて、最初は女性かどうかも分からなくて。
そう、なんか血だらけでみたいな。黒い(服の)人が倒れていてみたいなっていうことですね。周りの人とかは結構「やばい、やばい」みたいな感じで騒いでいました。

刃渡り13cmのサバイバルナイフで、犯行に及んだとみられる高野容疑者。リュックには、もう一本、別のサバイバルナイフを所持していたことが分かっています。

犯行直後、容疑者だとは気づかずに、高野容疑者に声をかけたという人は…。

犯行直後の高野容疑者に声をかけた人:
(容疑者に)「警察に電話してもらいましたよね?」と声をかけたんですよ。そしたら、何の応答もなかったんですけど、脇にいた男性が警察に電話してくれていたので、その人に近づいたら「あの人が刺したんです」と言われて、「えっ」となった。

さらに周囲にいた人は、犯行後の異様とも思える行動を目にしていました。

現場を目撃した人:
倒れている女性を無言でスマホで撮影しながら蹴っ飛ばしていた。3~4回(蹴っていた)異常は異常ですよ。

配信見て居場所特定か?配信のメリットとリスク

犯行の動機を、「(被害者に)200万円を超える金額を貸しているが、返してもらえない状態が続いた」「犯行を決心するに至った」と供述している高野容疑者。

佐藤さんの居場所については、佐藤さんが行っていた“ライブ配信”を見て探し出したと話しています。

多くの動画配信者が所属する「ライバージャパン」の代表、心之介。さんは、ライブ配信は「自分を応援してくださる方々との出会いが生まれて、1分1秒を共有し合える、分かち合えるというところが大きなメリット」と話す一方で、同様に配信者と視聴者の間でトラブルになったケースがあったといいます。

古舘プロジェクト ライブ配信事務所ライバージャパン 心之介。代表:
やっぱり一番多いのが、ダイレクトメールでやり取りをしていて、直接リスナーさん(視聴者)と会って生まれる関係からのトラブルというところが多いかとは思います。

「ライバージャパン」では、トラブルを未然に防ぐために、配信場所を特定されないようにするなどの指導を行っているということです。

警視庁によると、高野容疑者は精神的なトラブルを抱えている可能性があるといいますが、取り調べでのやりとりや事件の大きさから容疑者名を発表し、責任能力の有無も含め慎重に調べています。
(「めざまし8」3月12日放送より)