まるで宅配便の不在票。
SNSに投稿された広告が物議を醸しています。
一見いつもの不在票のようですが、よく見ると、お届け先の欄には「過去に歯科矯正をほんの少しでも検討したことがあるみな様」と手書き風の文字が。
実は歯の矯正サービスを提供する企業のものとみられる広告のチラシだったのです。
写真を投稿した男性は3月2日の夜に帰宅した際、この広告がポストに投函されていたといいます。
チラシを投函された投稿者:
それはもうヤマトの不在票だと思って。ちょうどふるさと納税の荷物を受け取る予定だったので、再配達の依頼をかけようと思って手に取ったところ、よく見たら全然違うじゃないと。
ヤマト運輸のホームページに載っている不在連絡票と比べてみると、黄色と白2色のデザインはそっくり。
配達員がチェックする項目のレイアウトやフォントもほぼ同じです。
さらに、荷物の種別の項目にはヤマトホールディングスが商標登録している「宅急便」の文字も。
明らかにまねをしたとみられる広告にSNSでは「誰が見てもヤマト。これ許可とっているの?」「アイデアとしておもしろいけど迷惑極まりない」などと批判の声が相次ぎました。
写真を投稿した男性も「非常に紛らわしいからやめてほしいのが一番だが、広告主は受け取った方がどう感じるかまで考えてくれなかったのかな」と話しました。
今回まねをされたヤマト運輸は「SNSの投稿で把握し、配布元の企業に配布の中止を申し入れました。弊社のご不在連絡票と誤認させる内容であり、弊社の登録商標や知的財産の無断利用は一切認めておりません」とコメントしています。
不在票を模倣した紛らわしすぎる広告。
橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士は「宅急便」という言葉を使ったことによる商標権の侵害を指摘。さらに、「『不正競争防止法』というのがある。ヤマトがやっているかのごとく受容者を誤認させてしまうことも罰則の対象になってくる。それにも該当する可能性はある」と指摘します。
広告を配ったとみられる企業にも取材を申し込んでいますが、6日夕方時点で返答はありません。