ゴロゴロっとした大ぶりのニンジンが人気のスープカレーを、看板メニューとして提供する都内のカレー店は頭を抱えていた。店によると、大きめのニンジンを仕入れにくい状況が続いているという。さらには仕入れ値も高騰していて、東京都中央卸売市場では平年と比較して1.5倍の価格になっている。

スープカレー店主「小さいニンジンは煮込むと溶ける」

都内にある「スープカリィ厨房ガネー舎」の店主・米山幸彦氏は、「今出ているのはこの半分もないぐらいの小さいニンジンだと思うんですけど、やっぱりこのサイズ(厚みのあるサイズ)はなかなか入ってこないですね。ピンチですね」と話す。

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こちらの店によると、大きめのニンジンを仕入れにくい状況が続いているという。

「スープカリィ厨房ガネー舎」の店主・米山幸彦氏:
小さいと溶けちゃったりもするんで。鍋でずっと5時間ぐらい煮るんで、溶けないような大きさがほしいなと。

悩みの種は、ニンジンの大きさだけではない。仕入れ値も高騰しているという。

「スープカリィ厨房ガネー舎」の店主・米山幸彦氏:
(キロ当たり)50円ぐらい上がってるかなっていう感じですね。
ーーニンジンも(仕入れ値が)上がると思っていた?
いや、思ってなかったですね。ニンジンに関してはやっぱり通年入るものなんで、そんなに上げ下げないと思ってましたから。

仕入れ値は平年比の1.5倍に高騰

一方、都内のスーパーでのニンジンの価格も例年より値上がりしていた。

アキダイ・秋葉弘道社長:
販売価格は大体1.5倍ぐらいかな。販売価格で平年ですと、1袋あたり大体500gで128円で売ってるところが、今は198円ですね。

野菜の中でも特によく使うニンジンの価格に、買い物客も神経を尖らせていた。

買い物客:
やっぱり高いですよね。
やっぱり(ニンジンが)ないと何かしら寂しいのでやっぱり必要ですね。

買い物客:
夏とかは98円ですからね。このまま上がると、カレーのニンジン抜きとか豚汁ニンジン抜きになるかもですね。

高騰を続けているニンジンの価格だが、東京都中央卸売市場では、2024年11月中旬以降、徐々に価格が高騰。

さらに、2月中旬以降は、急激にはね上がり、わずか半月で50円ほども値上がりをして、平年の1.5倍の価格となっている。

「16年農業やっていて初めての経験」

一体何が起きているのかーー。
東京・立川市にある農家を取材した。

カラフル野菜の小山農園・小山三佐男さん:
見ての通りちょっと小ぶりですね。
小さいですよね。普段、1袋に3本入れてるんですけど、この大きさだと規格が足りないので、1袋に4本から5本入れることになるんですよね。

2024年と2025年のニンジンを比べると、長さはあまり変わらないが、2025年の方がまだ細い状態なのが分かる。

ニンジンの生育が悪い原因は、一体何が原因なのか。

カラフル野菜の小山農園・小山三佐男さん:
雨が一切降らないので、もう立川だとしばらく降ってない。12月から大雨が降った記憶がないぐらいなので。この経験はないですね。僕も16年間農業やってるんですけれども。

生育不良の原因は雨の不足。水分がないと、ニンジンが大きく育たないのだという。

さらに、全国的には、秋の高温の影響で、例年3月中旬まで続く秋物のニンジンの収穫が早めに終わりつつあり、2月中旬から値上がりが始まったのだという。

農水省によると、西日本でニンジンの出荷が始まる3月下旬までは、価格が落ち着くことは考えにくいとのことだ。
(「イット!」 2月27日放送)

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