岩手県大船渡市で2月26日に発生した山林火災で、市内2つの地区に発令されていた避難指示は、延焼が拡大するおそれがあるとして、三陸町綾里全域と大船渡市の赤崎町の合わせて8つの地区1340世帯・3306人にまで対象が広がりました。

避難所が開設されている越喜来小学校では、図書室の本棚に挟まれるように段ボール製のベッドが置かれるなど厳しい避難所生活が伺えます。

息子に自分の避難場所を知らせている女性は、これから息子も同じ場所に避難してくるといいます。

避難した人からは「もう諦めの境地。地域が避難ということは『全部燃えるんだ』という気持ちになる」という声が聞かれました。

避難所への支援物資も続々と届いています。
市民体育館には食料品のほか毛布や歯ブラシなど生活用品が集められていて、27日は分配の作業が行われていました。

こうした中、県は27日、災害対策本部員会議で仮設住宅の供給に向けた調整を始めたと明らかにしました。
まずは仮設住宅とみなし仮設住宅がどの程度必要かを調査するということです。

27日の消火活動は緊急消防援助隊として派遣された宮城・山形のヘリや災害派遣要請を受けた自衛隊のヘリが空から散水をしたほか、県内外から駆け付けた消防が地上から放水にあたりました。

一方、現場近くの道の駅では26日から夜通しで活動していた地元の消防団が団員の無事を確認。
2月19日以降、市内で相次ぐ山林火災に疲れの色が見えました。

地元消防団の人は「気持ちの面でもまだ休めてない。(前の山林火災が)やっと終わって良かったと思っていたので疲れます」と話していました。

懸命の消火活動が続いていますが、27日午後3時ごろには市内の三陸町綾里で再び火が上がるなど火事の勢いは弱まっていません。

福永一茂アナウンサーリポート
「30分ほど前から風にあおられ火の勢いが強まりました。かなり建物にも近づいてきています」

日没後もヘリの散水が行われることになっていて、消防や警察も地上での消火活動や警戒を継続するということです。

岩手めんこいテレビ
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