25日、滋賀県大津市のタワーマンションの一室で、岩﨑安三さん(78)が頭などから血を流した状態で見つかり、死亡が確認された事件。

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岩﨑さんが見つかった部屋と同じ階のエレベーターホールで、頭から血を流して倒れていた岩﨑さんの妻(74)も、現在意識不明の重体です。

現場となったマンションは、複数の防犯カメラが設置されており、1階の正面入り口はオートロック、入り口にはコンシェルジュが常駐していました。
また、岩﨑さんが見つかった部屋は施錠されていたといいます。

マンション住人によると、事件前後に騒ぎ声などは特に聞こえず、救急車の音で異変を知ったといいます。

高齢夫婦を襲った恐ろしい事件、岩﨑さんの親族が、「めざまし8」の取材に悲痛な思いを語りました。

岩﨑さんの親族:
何が起こっているのか、自分でも把握できないくらい…こんなことが身内に起こるなんて、夢にも思っていませんでしたから。
本当に「恨みかな」とか報道されていますけど、そんな要素は皆無の夫婦でして。
善良を絵に描いたような方でしたから、そんなことあり得ないと思っていますよ。

――トラブルなどは抱えていなかった?
争うような生き方をする人ではないので、いろんなことがあるかもしれませんけど、全部流して戦いに行ったりされませんから、2人とも。トラブルなんかはなかったはずです。
金銭面も全然そんなことはないし、堅実な暮らしで、きちっとした暮らしをなさっていました。何が起こったのか本当に…。

――普段から誰かが出入りしている様子は?
極めて交友関係はそんなにない方、夫婦間で信じ合って生きているような人で、いたわり合って生きておられましたね。

親族によると、岩﨑さん夫婦は温厚で、金銭も含めてトラブルなどは一切なく、普段から人が出入りしている様子も見られなかったといいます。

岩﨑さんの親族:
(最近も)連絡はメールとかで、たくさんあるんですけど、最後に一緒に楽しいお酒を飲んだのが、11月の中旬以降です。お酒とお寿司を食べたのが最後です。
おいしそうに、うれしそうに…その横顔が忘れられないです。

元捜査一課「第三者の強盗難しい」

「めざまし8」と共に現場を取材した、元徳島県警捜査一課の秋山博康氏は、現場の状況から「第三者が強盗に入るのは難しい」と推察します。

元徳島県警捜査一課 秋山博康氏:
(闇バイトの強盗は)だいたい一軒家。そして防犯カメラの少ないところを狙うのが常とうなんですけど、(現場となったマンションは)入り口、早々からカメラがある。
防犯カメラ、セキュリティーが完備されているところに、第三者の強盗が入るというのはそうないと思います。
(警察が)全体的に一軒一軒、地取り捜査、駅からの聞き込みとか、そういうことをやっていないので、ある程度、容疑者的なものは浮上させて、集中的な捜査をやっているのではないかなと感じます。

さらに、岩﨑さんの死因が頭蓋内損傷で、鈍器のようなもので強く殴られた可能性があることに触れ、「突発的な犯行の可能性」もあるといいます。

元徳島県警捜査一課 秋山博康氏:
本来殺意を抱いて訪問する際は、刃物を使用する場合が多いんです。ですから、今回は何らかの顔見知りの人が訪問して、トラブルから発展して現場にあった鈍器で殴打して殺害したと考えられると。
殴打した凶器は血がついていますので、犯人の心理として遺留して逃げるというのはあまり考えにくい。
凶器を隠したい、捨てたいという心理が働くので、それを持ち帰ろうとカギを閉めて逃げようとしたときに、多分、(エレベーターホールで)奥さまと出くわしたのかなと。

――部屋から逃げた妻を追いかけた可能性は?
それも考えられますが、先に屋内で犯行し、わざわざカギを閉めて追いかけるというのは考えにくいので、出くわしたというのが自然かなと。
多分顔見知りで、何度か家に訪問したことがある人物。カギのある場所を知っているとか、合鍵を作っていた可能性もあります。

なぜ夫婦は別々の場所で発見されたのか、岩﨑さんが見つかった部屋のカギはなぜ施錠されていたのか…。
警察は傷の状態などから、何者かが2人を襲い、逃走している可能性が高いと判断し捜査本部を設置、捜査を進めています。
(「めざまし8」2月27日放送より)