2025年に入り、山形市消防本部管内では、火災による死者が過去10年で最多の4人となり、「非常事態」として警戒を強く呼びかけている。自分や家族の命を守るため、特に注意が必要なのが「暖房の使い方」。
山形市消防本部は、山形市と山辺町・中山町が管轄で、2025年に入り死亡火災が相次いでいる。
1月14日には山形市中野の住宅で2人、2月16日には山辺町の板金会社で1人、そしてその2日後の18日には山形市吉原の住宅で1人と、3件の火事で計4人が死亡した。
(山形市消防本部予防課指導係・蹄可奈さん)
「建物火災で亡くなった人が4人。過去10年間で最多、危機的状況と考えている」
管内で、19日までに発生した火災は7件で、件数自体も2024年の同じ時期と比べて2倍近くに増えている。
2024年よりも火災が増加した要因について、消防は次のように分析している。
(山形市消防本部予防課指導係・蹄可奈さん)
「今シーズンは寒い日が続いているので、暖房器具を使用する時間が増えている。そのことで暖房器具による火災も増加していると考えている」
特に注意してほしいと呼びかけるのが、「暖房の使い方」。
暖房の危険性がひと目でわかる映像を見てみると、反射式のストーブの近くにあった布団が一気に炎に包まれた。
そして、石油ストーブの電源を切らないままの危険な給油。しかもタンクのフタをしっかり閉めていないため、したたり落ちたわずかな灯油から引火している。
(山形市消防本部予防課指導係・蹄可奈さん)
「暖房器具の周りに燃えやすいものを置かないこと。給油の際は、電源をつけたまま給油しないようにすること。灯油カートリッジ(タンク)の蓋は必ず閉めて給油するようにしてほしい」
さらに、「洗濯物」も暖房の近くに置くと危険なものの代表だ。
乾かしている最中に、万が一倒れてしまうと、洗濯物に引火するおそれがある。
では、実際に火災が起きてしまった場合、命を守るには何が必要なのだろうか。
総務省消防庁の調べでは、全国の火災の死亡原因で最も多いのは、「逃げ遅れ」。
そのため消防は、就寝中でもいち早く火事に気付けるように、14年前に義務化された「住宅用火災警報機」の設置と、実際に作動するかの点検を徹底してほしいとしている。
(山形市消防本部予防課指導係・蹄可奈さん)
「火災はいつ起こるかわからない。日ごろから火災警報器の点検や、暖房器具の使用に注意して生活してほしい」
県内でも、まだまだ寒い日が続く。
暖房器具の周りに火災につながるものがないか、あらためて確認してみてほしい。
暖房の周りには何も置かないのが基本だという。