来年に迫ったミラノ・コルティナ冬季オリンピック出場を狙う19歳のスノーボーダー荻原大翔(おぎわら ひろと)選手。期待の新星が目指すのは金メダルです。
2025年2月、福島県で行われたスノーボードビッグエアの大会。優勝を果たしたのがスノーボード界期待の新星、仙台大学の1年生荻原大翔選手です。
荻原大翔選手
「オリンピックで金メダルですね、それが一番の目標です」
巨大なジャンプ台から華麗に飛び出し、約3秒の滞空時間に繰り出す技の難易度や完成度を競うスノーボードビッグエア。
荻原大翔選手
「自分の滑りを誰か見てくれて、宮城県民の方、みんながスノーボードしたいなって、みんなスノーボードしてくれたら、それが一番うれしいです」
大翔選手がスノーボードを始めたのは3歳の時。その才能は9歳で開花します。世界最年少で3回転を成功させると、その後、国内外の大会で好成績を残し、先月行われたオリンピックと並ぶ大会、冬季Xゲームズでは世界初の6回転半を決めて見事、初優勝を果たしました。
彼が大事にしていること、それは「どんなときでも楽しむこと」です。
荻原大翔選手
「ワールドカップもXゲームも憧れの舞台だったし、今は憧れの選手たちと戦えているので、本当に最高に楽しいです。本当に楽しいことなので、ほぼ遊び。その延長線に競技があってすごく最高です。楽しみながら勝ちたいと思います」
常に楽しむことを忘れない中でオリンピックが来年に迫った今、変わった意識があります。
荻原大翔選手
「結構、昔はがむしゃらにやりたいことを常にやっていたみたいな感じだったんですけど、最近はちゃんと全部優勝を狙うというか。安定したリザルト(結果)を取りに行くようにはしています」
強くなった結果への意識。去年12月に初優勝したワールドカップではあえて技の難易度を1段階抑え、完成度を追求。安定した成績を残すため、大会の日も1回1回の技の出来を映像で確認しています。
19歳ながら世界から注目を浴びるほど成長した大翔選手。一番近くで支えたのは父・崇之さんです。
荻原選手の父・崇之さん
「近くにいてずっと見ているからあれですけど、普通に考えたら、自分もスノーボードをやっていて、すごいことが起きているなというのは思うので。これが息子なのかというのは正直びっくり」
自身も30年以上スノーボードを楽しんできた崇之さん。大翔選手がスノーボードを始めたきっかけも崇之さんでした。みるみる成長する大翔選手のために、幼い頃は月に4度茨城県から練習場のある千葉県まで送迎を行うなどサポートしてきました。
荻原選手の父・崇之さん
「このままずっと楽しんで長いこと続けていけたらいいし、今楽しんで良かった、良かったというのを繰り返していければいいかなと思いますけど」
荻原大翔選手
「もう本当にちっちゃい頃からずっとスノーボードに連れてきてくれて、練習の時は教えてくれて、本当に二人三脚ですね。全て一緒にやってくれてすごく支えてもらっています。楽しくスノーボードさせてくれたのがほんとに良かったです」
父と二人三脚で歩んできた大翔選手。崇之さんが名前に託した思いがあります。
荻原選手の父・崇之さん
「大きく翔(と)ぶという漢字。本当にスノーボードでそれで世界に羽ばたいて海外飛び回っているので。名前を付けたら、想像していたような動きが付いてきた」
大空を翔ぶ、荻原大翔選手。ミラノの大空で目指すものはただ1つです。
荻原大翔選手
「やっぱり4年に1度しかないので。取れるチャンスってすごく少ないじゃないですか。どの大会よりも一番難しい1位だと思うので、そこで取りたいですね」