鹿児島の情報や魅力を45年にわたり発信し続けてきた、月刊情報誌「TJカゴシマ」です。
実は3月発行の4月号を最後に、月刊誌としては休刊することが19日発表されました。
今後はインターネットやSNSで情報を発信していくということです。
鹿児島市の書店に並べられた19日発売の「TJカゴシマ」。
その中で、3月19日発行の4月号で休刊すると発表しました。
TJカゴシマは鹿児島市の印刷会社斯文堂が発行する月刊の情報誌で、県内各地の店舗やイベントなどの情報を1980年の創刊以来、45年にわたり発信し続けてきました。
こちらの書店では、19日からTJカゴシマに掲載された店の商品を販売するイベントが始まっていて、店の担当者が売り場の設営を行っていました。
TJカゴシマに掲載された
tomicome・冨迫健太郎代表
「すごく拝読していた雑誌なので(休刊は)残念で仕方がない。最後の場に参画できるのはすごくうれしいことで感謝の気持ちでいっぱい」
長年愛されてきたTJカゴシマの休刊に街の人はー
TJカゴシマの購読者
「ちょっと寂しい」
「お店に置いていたり本屋でちょっと見ていた」
「家族で見てご飯屋さんに行ったことがある」
発行元の斯文堂を取材しました。
斯文堂 出版事業部・齊藤賢吾統括部長
「紙としての役目は果たしたかなと、すっきりはしている。ただ悔しい気持ちはある」
こう語るのは20年以上TJカゴシマに関わってきた齊藤さん。
今回休刊を決めた理由について次のように語ります。
斯文堂 出版事業部・齊藤賢吾統括部長
「情報発信のツールが時代とともにどんどん多様化していく中で、紙代の高騰もあって、月刊誌として情報を発信していくのが難しくなってきた。SNS等を使って随時発信していった方がよりタイムリーな情報を届けられるということで、前向きな決断ではある」
毎月の発行は3万6000部と当初から変わっていないものの、20年ほど前と比べて広告収入が約4分の1に落ち込んだといいます。
これまで530号以上発行を続け、累計発行部数は約2000万部。
齊藤さんは思い出として、鹿児島市出身のサッカー元日本代表 遠藤保仁さんを取材したことをあげました。
斯文堂 出版事業部・齊藤賢吾統括部長
「30周年の記念号で、ちょうどワールドカップが始まる前というタイミングで、遠藤選手はTJカゴシマと同じ年だから『遠藤選手以外いないでしょ』と、遠藤選手にそば茶屋の話を聞いているのは自分たちだけなんじゃないかと自負している」
地元に密着し、鹿児島の情報と魅力を発信し続けてきたTJカゴシマ。
今後はインターネットとSNSで発信を続けていくということです。
斯文堂 出版事業部・齊藤賢吾統括部長
「突然のお知らせになって申し訳ない気持ちではある。ただ、これで終わらない。県民・読者と一緒に鹿児島をワクワクさせたい。鹿児島をどんどん盛り上げていきたい。その気持ちは全然消えていないので、これからも一緒に盛り上げていければ」