家族の介護や家事を負担する若者「ヤングケアラー」をより広く知ってもらうため、漫画を使った新たな取り組みが高知で始まりました。

漫画のセリフ:
「これでよし」
「もうちょっとで学校行かないと」
「最近ちょっと疲れてるな…」

「おはよう美樹 いつもすまないね」
「おはようお父さん 気にしないで」

「ああ…」

漫画で描かれているのは「ヤングケアラー」。母を亡くし車いす生活の父親を献身的に支える女子高生が主人公です。

ヤングケアラーとは、障害のある家族の代わりに家事をしたり家計を支えるために働くなど、本来大人が担う家事や家族の世話を日常的に行なっている子どもや若者を指します。

県では2022年からヤングケアラーの実態を知ってもらう取り組みを進めており、これまでもポスターやCM動画などを作成してきました。今回、漫画にすることで、子どもたちをはじめより多くの人にヤングケアラーに対する理解を深めてもらいたい考えです。

県子ども・福祉政策部 中村元彦さん:
Q誰に読んでほしい?
「小学生、中学生、高校生、普段あんまり馴染みのない方にぜひ気軽に読んでいただいて、本当に自分事として感じていただけたらなと思っています」

ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であることや、本人や家族に自覚がないなどといった理由から表面化しにくい社会問題です。

厚生労働省によると近年、中学2年生のおよそ17人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答。

また2022年に県が行った調査ではヤングケアラーとみられる中高生のうち7割近い人が「周囲に相談したことがない」と答えています。

県子ども・福祉政策部 中村元彦さん:
「『何か困っちゅうことないかえ?』ということで気軽に声かけをしたうえで、必要な支援機関につなぐというところがまずは重要になってくるのかなと思います。」

漫画のセリフ:
「誰かに聞いてほしかった」
「放課後遊びに行ける友達がうらやましくなるときがあって」
「話してくれてありがとう」
「ずっと一人で抱えてきたんだね」

漫画教材は県のホームページで2月18日から閲覧が可能です。今後、学校などの教材としても使われる予定です。

高知さんさんテレビ
高知さんさんテレビ

高知の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。