揺れ動く大人の愛・・・そして、焦燥と不安の日々

福山雅治さんや石田ゆり子さんら、実力派が顔を揃える映画「マチネの終わりに」。

「マチネの終わりに」
「マチネの終わりに」
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ジャーナリスト 小峰洋子 (石田ゆり子さん)
本当にうっとりしました。

クラシックギタリスト 蒔野聡史(福山雅治さん)
実は舞台の上からお誘いしてたんです。

運命的に出会った、40代を迎える男女のかけがえのない恋愛の行方。
原作は、累計発行部数50万部を超えるベストセラー作品。

番組ではその作家、平野啓一郎さんにインタビューし、愛することの美しさや複雑な社会に生きるヒントを聞いた。

平野啓一郎氏:
40代くらいの男女が主人公なので、やはりそれぞれの人生の中でやることはあって、悩みもあってという中で男女が惹かれ合う、その現実をうまく描きたいなと思ってます。

平野啓一郎氏
平野啓一郎氏

蒔野聡史:
洋子さん、もし洋子さんが地球のどこかで死んだって聞いたら、僕も死ぬよ。

小峰洋子:
私結婚するの。

蒔野聡史:
知ってる。だから止めに来た。

「マチネの終わりに」
「マチネの終わりに」

揺れ動く大人の愛。
物語が同時に問いかけていたのは“40代をどう生きるか”というテーマ。

蒔野聡史:
すいません。いやーもうなんかくたびれ果てちゃって。40すぎると、急にこうなんですね…

「マチネの終わりに」
「マチネの終わりに」

現状の演奏に満足が出来ずスランプに陥いる蒔野。
婚約者がいながら蒔野と惹かれ合い翻弄される洋子。
“40代で感じる焦燥と不安の日々”。

「マチネの終わりに」
「マチネの終わりに」

街で働く人はどう感じているのか。

40代男性:
会社がどういう方向に進んで行こうとしてるのかを考えながら、自分がどういう風にパフォーマンスを出すかも踏まえて考えないといけない。若い社員にもどういうふうにパフォーマンスを出せばいいのか、そういうところが難しい。

40代女性:
なんだかわからない不安と焦りみたいのはありますよね。
それが何かわからないから余計に焦ります。

平野啓一郎氏:
今までは人生が単線的なイメージで、20代で就職した仕事を60歳くらいまで続けて皆生きてきましたけど、途中で仕事変わったり、 副業兼業することも増えてきた。
今まで1本で続けてきたことを全く違うことでやり直すのではなく、少しずつ関わることを増やして人生の幅を変えていきながら理想を変えていくみたいな変化が現実的かなと思います。

平野啓一郎氏
平野啓一郎氏

そして、物語で描きたかった「40代論」については・・・

自分自身の過去と穏やかに和解できるような気持ちになれれば・・・

平野啓一郎氏:
それぞれの人生の中であの人ともし結ばれていたらどうなっていただろうとか、そういう叶わなかった思いというのが記憶の中にあると思うんです。
物語を通じて、改めて自分の過去と静かに対話して、そうするともしかしたら、ずっと心の傷だったけど、今では懐かしく振り返れるかもしれないし、そういう風に自分自身の過去と穏やかに和解できるような気持ちになれればいいかなと思います。

「マチネの終わりに」
「マチネの終わりに」

何歳からでも新しいチャレンジはできるという姿勢が大事

三田友梨佳キャスター:
石倉さんはどうご覧になりましたか?

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
僕もアラフォーと呼ばれる世代なのですが、想像していたよりも40代は不安が大きいと思います。
例えば、今、第一子の出産平均年齢は30.7歳なんです。そうすると40代というのは自分の子供がずーっと学校に通っている状態なので、お金がかかり続けますし、さらに親の介護や自分のキャリア、自分の老後などいろいろなことを考えなくてはいけないということがあり、個人的には不安に思う。

三田友梨佳キャスター:
働く人の周りの環境も変わってきていますからね。

石倉秀明氏:
今の40代ですと終身雇用は崩壊して今の会社で定年まで働き続けることが難しくなるかもしれない。頭でわかっていても金銭的なことを考えると保守的にならざるを得ない人はどうしてもいます。

三田友梨佳キャスター:
石倉さんなりに「40代をどう生きる」に出した答えはありますか?

石倉秀明氏:
40代だからというよりも人生100年時代と言われているので、何歳からでも新しいチャレンジはできるという姿勢が大事だと思います。三田さんにとって40代はどんなイメージですか?

三田友梨佳キャスター:
漠然としていて、VTRを見ても「深いな」と感じました。仕事に家庭に多忙を極める時だからこそ前向きな意識が大切なのかもしれません。

(「Live News α」10月29日放送分)