長野県飯山市の飯山高校の女子生徒3人が開発した「二酸化炭素を吸収する小さなボール」に関する研究が、台湾で開催された高校生対象の科学の世界大会「台湾国際科学フェア」で生化学部門の1位に輝いた。このボールは直径4~5ミリで、中にミドリムシなどの緑藻類が入っており、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を生み出す効果がある。生徒たちは地球温暖化対策への貢献を目指し、今後も研究を進めていきたいとしている。
「ぷにぷにボール」が世界1位
飯山高校自然科学部の2年生、大塚結愛さん、高藤陽菜果さん、藤沢佳美さんの3人が開発したのは、「ミドリ・バイオ・リアクター(MBR)」と名付けられた透明な小さなボール。
高藤さんは「ぷにぷにしてます」と表現する。

大塚さんは「光合成をするボールにすることで、外部との酸素と二酸化炭素の循環が可能で、二酸化炭素を減少できる」と説明する。

1リットルのボールを一日光合成させると、1.5リットルの二酸化炭素を吸収するという。
化学の甲子園で2位から世界へ
この研究は2024年10月、「化学の甲子園」とも呼ばれる「高校化学グランドコンテスト」で全国102チームの中から2位にあたる「化学未来賞」を受賞。その結果、日本代表として台湾の世界大会への出場が決まった。

世界大会では11組が出場した生化学部門で1位を獲得。一の人にも興味を持ってもらいやすいテーマであることや、研究内容を紹介するポスターがわかりやすくまとめられていたことなどが評価されたとみられる。

高藤さんは「まさか世界大会で1位をとれると思っていなかったので、びっくり」と喜びを語った。
大塚さんは「酵母との培養によってMBRの色が濃くなってMBR内の緑藻類、ミドリムシの増殖が促進された発見は大きいと思う」と研究成果を強調した。
環境問題解決への貢献目指す
3人は今回の受賞を励みに、「ミドリ・バイオ・リアクター」の実用化に向けて研究を進めたいとしている。

藤沢さんは「このMBRのすごさを世界中に広めたいです」と意気込みを語った。
大塚さんは「将来的にMBRが地球温暖化や環境問題に貢献できるようになれば」と、研究の社会的意義を強調した。
(長野放送)