韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免を判断する弾劾審判は4日、非常戒厳時に国会周辺で軍を指揮した前司令官の証人尋問が行われました。
前司令官は兵力投入は適法だったと述べる一方、尹大統領の指示に関する証言はほとんど拒否しました。
4日、証人尋問に出席した李鎮雨(イ・ジヌ)・前首都防衛司令官は、2024年12月の尹大統領による「非常戒厳」宣言について、「国の代表で軍の統帥権を持つ大統領の話を違憲・違法だと考える余地もなかった」とした上で、戒厳時の兵力投入は適法だったと述べました。
弾劾審判では尹大統領が国会封鎖や政治家の拘束を指示したかどうかが焦点になっていますが、自身の刑事裁判への影響などを理由に李氏は関連の質問についてはほとんど証言しませんでした。
刑事裁判では李氏は韓国検察に内乱の重要任務に従事した罪などで起訴されていて、起訴状には尹大統領は李氏に「銃を撃ってでもドアを壊して引っ張り出せ」と国会から議員を排除するよう指示したと記載されています。
憲法裁判所が捜査結果と弾劾審判での証言を受け、尹大統領の指示の有無をどう判断するか注目されます。