歴史的な物価高を受けて春闘の、高水準となった賃上げ交渉は3年目を迎えます。
しかしほとんどが中小企業が占める県内の場合去年までの賃上げの状況は物価上昇に対して不十分だと経済の専門家は指摘します。
*北陸経済研究所 倉嶋英二総括研究員
「物価が急に上がったのが2022年。21年と24年を比べると1割近く物価が上がっている。まだまだ賃金がそこに追いついていない。4、5%企業として賃上げをしていかざるを得ない」
また、人口の東京一極集中が続く中、人材確保のためにも地方の中小企業の賃上げは避けては通れないと言います。
*北陸経済研究所 倉嶋英二総括研究員
「“超”がつくほどの売り手市場になっている。企業は賃金を上げないと人が確保できないという時代。極端に言うと都市部に負けないくらいの給料を提示しないと地方での人材確保は難しい」
賃上げの定着には原資の確保が必要ですが、富山財務事務所の調査では今年度、県内企業の経常利益は前の年と比べマイナス10パーセントの見通しです。
経済の好循環の実現のためには利益の増加につながる適切な価格転嫁が必要となっていると専門家は指摘します。
*北陸経済研究所 倉嶋英二総括研究員
「価格転嫁をしやすいようなコンセンサス(合意)形成をやっていく必要がある。デフレが長続きする中でコストダウン=正義みたいな考えがはびこっていたが、それを改めて、企業の利益も確保しながら賃金をあげて経済を回していく方向に社会全体が意識を変えていく必要がある」
今年の春闘、県内では今月から労働組合が要求書を提出し、来月中旬ごろに企業の回答が集中する見込みです。