オンラインゲームを通じて女の子と出会った

9月2日から行方が分からなくなっていた横浜市青葉区の小学4年の女の子(9)が、5日未明に東京都葛飾区の男の自宅周辺で無事保護された。幸い、女の子にケガはなく健康状態に問題はなかったという。この事件で注目されたのが、容疑者と女の子の接点だ。

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警察の調べによると、未成年者誘拐で現行犯逮捕された大竹晃史容疑者(38)は、オンラインゲームを通じて女の子と待ち合わせをし、その後連れ去っていたことが分かっている。

女の子は、親が使わなくなったスマートフォンを自宅のWi-Fiに接続し、オンラインゲームに参加していたという。

自宅にいながら世界中の人と通信し、気軽にプレイや対戦ができるオンラインゲーム。その普及とともに、未成年の犯罪被害が懸念されている。

なぜ、オンラインゲームなどを通じ、見ず知らずの相手を信頼してしまうのか?ITジャーナリストの三上洋氏に話を聞いた。

ITジャーナリスト・三上洋氏:
今の小・中学生は“スマホネイティブ”と呼ばれて、生まれた時からスマホがある世代です。自然に使っているので「怖いな」「ここは危ないな」ということを知る前に手を出してしまうというのはあると思います。

生まれた時からスマホが使える環境にいることによる、危機感の欠如が一つの原因だという。

さらに…

ITジャーナリスト・三上洋氏:
オンラインゲーム、対戦ゲームというのは戦いですから、“敵がたくさん来たから協力して守らなきゃ”など危機に陥ったときにお互い助け合うという“一種の吊り橋効果”も働きますし、非常に仲が良くなりやすい。ボイスチャットでやっていると、年齢差関係なくお互いにとても仲良くなって「それじゃ実際に会おうか」と発展することがありますね。

吊り橋効果とは、吊り橋の上のように、不安や強い恐怖を感じる場所で出会った人に対し、恋愛感情や親近感を抱きやすくなる現象のこと。​

“ゲーム内での危機や危険”を共有することで吊り橋効果が働きやすくなり、さらに“ボイスチャット”で相手の声を聞くことで警戒心が薄れやすくなるという。

さらに三上氏は、そこが大きな落とし穴であると警鐘を鳴らす。

ITジャーナリスト・三上洋氏:
未成年だとまだ社会常識ができていないので、悪い大人が女の子・男の子をだまそうとしているという現実が分かっていないことがあると思います。

オンラインゲーム全盛の今、子供たちを守るには、一体どうすればいいのだろうか?『直撃LIVEグッディ!』は三上氏に解説をしてもらった。

宮澤智アナウンサー:
今回、小学4年生の女の子がオンラインゲームをしていたということですが、今は小学校低学年でもスマートフォンでオンラインゲームをすることは珍しいことではないです。

<常識が変わった?子供のネット事情>
・2020年4月の内閣府の調べによると、青少年のネット利用率は93.2%
⇒そのうち63.6%の青少年がスマートフォンを利用している。
・スマートフォンでネットを利用している青少年がネットを利用する主な内容として挙げたのは、小学生はゲーム、中学生は動画視聴、高校生はコミュニケーションが最も多かった。

・2020年2月、東京都都民安全推進本部の調べによると、小学校低学年の子供にスマートフォン等を持たせている保護者のうち、子供がSNSで知らない人とやりとりをしていることがあると答えた人が30.3%いた。

宮澤智アナウンサー:
小学校低学年でも、知らない人とやりとりをしている子が3人に1人くらいいるという驚くべき結果が出ました。

安藤優子:
相手が大人なのか子供同士なのか分からないですが、これは当たり前のことでしょうか?

ITジャーナリスト・三上洋氏:
そうですね。ゲームの中にメッセージのやり取りをする機能があります。さらにゲーム中にボイスチャット、いわゆる“ボイチャ”と呼ばれる、電話のようなやりとりをすることができるゲームもあります。知らない人とやりとりをするのは、当たり前になっているでしょう。30.3%というのは親御さんが把握している数字なので、把握していない数字はもっと多いはずです。

安藤優子:
そうですよね。「知らない人とゲームでやりとりをした」と報告されなければ、親は把握しようがありませんよね。

サバンナ高橋:
そうですね。知らない人とやり取りしているのは当たり前にあると思います。いろんなゲームがありますけど、他の人とつながらないとできないゲームというのも結構あります。オンラインでいろんな人とつながることが楽しいというゲームもありますから。

安藤優子:
オンラインでつながるからこそコミュニケーションが取れて楽しいのでしょう。決して、知らない人とつながること自体が悪いわけではないですよね。

北村晴男弁護士:
そうですね。子供って親の気持ちにすごく敏感なので、「知らない人とやり取りした」と言ったことによって親がすごく嫌がるだろう、そういうことが分かっている子は言わないですよ。三上さんがおっしゃったように、やりとりしている子供はもっと多いかもしれないなと思います。

宮澤智アナウンサー:
知らない人と会話するならまだしも、どうして知らない大人と会うところまでいってしまうのか?そこにはオンラインゲーム特有の心理があるそうです。

<オンラインゲーム特有の心理>
・共通の敵と戦う連帯感
・ボイスチャットで親近感
・チームとして勝利する達成感
・ピンチを救ってくれる安心感

安藤優子:
ものすごく一体感があるわけですね。これは年齢が離れているとか離れていないとか、関係ないのですか?

ITジャーナリスト・三上洋氏:
年齢は関係ないですね。

北村晴男弁護士:
親の気持ちとしては、ボイスチャットの機能をオフにしてくれるような機能をつけてもらいたいですよね。それは今の時点では無理でしょうか?

ITジャーナリスト・三上洋氏:
個別のアプリで、年齢によってボイスチャットがオン、オフになるという機能は今のところあまりないですね。

宮澤智アナウンサー:
オンラインゲームなどを使って近づく悪い大人から、どのように子供を守ればいいのでしょうか?

我が子を守るためにできることを解説

<我が子を守るために親ができる対策>
・フィルタリング機能を活用する
・スマホの使用状況を監視する
・三上氏は「機能のすべてを理解する必要はない。知らない大人に会うということは小学生でも危険だと思っているはず。ブレーキになるのは親と子のコミュニケーション」と話す。

宮澤智アナウンサー:
スマホの使用状況をずっと近くで監視しておくのは親御さんも無理だと思いますから、iPhoneであれば「スクリーンタイム」などの機能を使うということになるでしょう。

安藤優子:
機能を使える親だったらいいですが、もし私が親だったら全然追い付かない。子供の方が先に行っているような気がします。

ITジャーナリスト・三上洋氏:
今回の事件のポイントは、親のスマホを使っていたということ。本来であれば、こういった対戦ゲームやSNSは、12歳以下はダメです。15歳以下はダメですなどの制限がきちんとあります。あと、iPhoneでは「スクリーンタイム」ですが、Androidだと「ファミリーリンク」というものがあります。これはスマホの使用時間や、どのアプリを1日に何時間使ったかチェックすることができます。これは自分のスマホと共有することができるので、親御さんは自分のスマホを見ながら、子供のスマホの使用時間や使用アプリをチェックすることができます。この機能は、頑張って親御さんに覚えていただきたいですね。

安藤優子:
やはり親、そして周りの大人がきちんと制限をかけていかないといけないということですね。

(「直撃LIVE グッディ!」9月8日放送分より)