規制線の外でカメラを構える人々。
約100人の鉄道ファンです。

彼らのお目当ては、引退した豪華寝台客車の移送。
しかし、周辺では迷惑行為が起きていました。

現場は、東京・清瀬市の清瀬中央公園付近です。

清瀬市は、2008年に引退した豪華寝台列車の車両を譲り受け、公園に設置することを決定。

人々が寝静まった23日午前3時頃から、公園付近を通る一部の道路を通行止めにして搬入します。

現場には、客車が到着する数時間前から熱心な鉄道ファンが集合。

当時の様子について、近くに住む男性は「(鉄道ファンが)100人ぐらいはいた。異様な光景。大スターが来たんじゃないかみたいな。(普段、人は)全然ないですね。全然静かです」と話しました。

お目当ての客車が到着すると、集まった鉄道ファンが「ダーッと走ってきたり、撮り始めたりとか。『電柱を登って(工事用の)柵を越えた方が撮れるじゃないか』と言う人たちもいた」と話します。

移送の時間帯は一部の道路を通行止めとしたため、一般の車両は別の道路を利用する形をとっていました。

しかし、その道路などに鉄道ファンが車を止めていたといいます。

近隣住民は「駐車場になっちゃってる感じ。20台くらいかなと思います。(一般車両来たら)もうアウトですね」と話しました。

清瀬市は、近隣住民に移送の詳細について手紙を出し、関係者以外への情報の共有を控えてほしいと求めていました。

ではなぜ、100人ほどの鉄道ファンが集まったのでしょうか。

実は、客車の譲渡が決定した直後から、移送に向けた準備の様子がSNSに投稿され始めたのです。

取材に対し、清瀬市は「市としても、近隣住民の皆さまにご迷惑をおかけしないよう配慮させていただきましたが、結果としてご迷惑をおかけしてしまう事態となってしまい、大変遺憾に思っております。今後も安全第一に親しまれる公園となるよう工事を進めてまいります」と説明しています。