農林水産省は24日、GI=「地理的表示」保護制度に登録されている「八丁味噌」について、愛知県岡崎市の老舗2社、「カクキュー」と「まるや八丁味噌」からなる「八丁味噌協同組合」を、生産者団体として追加登録したと発表した。

GI保護制度は、国が知的財産として地域の伝統的な食品の名称を守るもので、登録された団体がその名称を使うことができる。

「八丁味噌」のGI保護制度を巡っては、2017年12月に愛知県全体を生産地とした名古屋市の組合が登録されていた。

これに対し、産地を岡崎市内に限定して生産していた「まるや八丁味噌」は、伝統的手法と生産方法が異なるとして登録の取り消しを求める裁判を起こしたが、2024年3月に敗訴が確定していた。

この判決により、「まるや八丁味噌」は2026年2月以降、自社製品に「八丁味噌」の名称が自由に使えなくなっていた。

今回、所属する団体が登録されたことで、「まるや八丁味噌」は期限を区切らず「八丁味噌」の名称が使えることになり、名称使用を巡る約7年に及んだ論争に一定の区切りがつくかたちとなった。