日本人そしてアジア選手として初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチローさん(51)。
日米ダブルでの殿堂入りの快挙となりました。
イチローさん:
この日を迎えるということが、2001年僕が初めてMLBに挑戦した年に、おそらく地球上の誰も想像できなかったと思うんです。苦しいこともたくさんありましたけど、最終的にここに1歩ずつ近づいていった。言葉では言い表せないほどの気持ちです。
2001年、イチローさんはマリナーズに入団。
イチローさん:
2001年は野手で初めてのメジャー挑戦であったということもあって、日本人の野手の評価は僕の1年目で決まる。そういう思いを背負ってプレーした記憶があります。
そんな強い使命感を感じながらも、ルーキーイヤーで新人王とMVPをダブル受賞。
2004年には、いまだ破られていないシーズン最多安打記録を樹立するなど、実に3089本のヒットを積み重ねました。
得票率は野手歴代トップに並ぶ99.75%。
注目された史上2人目の満票には、あと1票届きませんでした。
イチローさん:
1票足りないというのは、すごく良かったと思います。生きていく上で不完全だから進もうとできるわけで、そこに向き合えたのは良かったかなと思います。
そして、快挙を喜ぶイチローさんの父・宣之さんも、息子と同じような見方で受け止めていました。
イチローさんの父・鈴木宣之さん:
あれで全部満票だと、完全な人間がおるのかなと。どこか欠けててちょうどいいような思いでしたので、ほっとしました。
野球界からは、多くの祝福のメッセージが届きました。
ともにメジャーでプレーした松井秀喜さんは、「日本の野球界にとっても歴史的な日だと思います。同じ時代にプレーできたことは本当に光栄であり喜びでした」とコメントを寄せました。
イチローさんとマリナーズでプレーした経験もある菊池雄星投手は「メジャーの舞台で活躍する日本人を切り開いてくれたからこそ、我々がプレーできている。改めて感謝をお伝えしたいと思います」と話しました。
一方、プレー以外でも現役時代からユニークなTシャツでファンを楽しませてきたイチローさん。
今回の会見でも、Tシャツにあるメッセージを込めていました。
イチローさん:
ドアノブの部分が野球ボールになってるんですけど、見えました?夢中になることに飛び込んでいこうっていうね、そのドアを開けてみようというメッセージが込められています。
イチローさんの殿堂入りを受け、マリナーズは51番を永久欠番にすると発表。
引退後も現役時代と同様にトレーニングを続け、野球の普及に努めるイチローさん。
殿堂入りを果たしてもなお進み続ける場所とは…。
イチローさん:
どこにゴールがあるか分からないです。明日つぶれるかもしれないし、10年後かもしれないし、今やってることっていうのは、その日の限界を迎えること、それを繰り返しています。アスリートの体がどうなっていくのか、それを見てみたい興味がすごく強いですね。