メジャーリーグで数々の偉業を成し遂げたイチローさん(51)が、日本人で初めてアメリカの野球殿堂入りを果たしました。
日本人初のアメリカ野球殿堂入りを果たしたイチローさん。
2001年、日本人野手として初めて海を渡り、新人王とMVPをダブル受賞。
シーズン最多安打記録を樹立するなど、3089本のヒットを積み重ねました。
史上2人目の満票選出には1票届かなかったものの、全体トップの99.75%の得票率を獲得。
日米ダブルでの殿堂入りの快挙達成です。
米国野球殿堂入り・イチローさん:
この日を迎えるということが、2001年僕が初めてMLBに挑戦した年に、おそらく地球上の誰も想像できなかったと思うんです。
ともにメジャーでプレーした松井秀喜さん(50)も、「日本の野球界にとっても歴史的な日だと思います。あなたと同じ時代にプレーできたことは本当に光栄であり喜びでした」と祝福のコメント。
そして、マリナーズはイチローさんの51番を永久欠番にすることを発表しました。
イチローさん:
苦しいこともたくさんありましたけど、最終的に、ここに一歩ずつ近づいていった。言葉では言い表せないほどの気持ちです。
殿堂入り記念Tシャツは日本時間22日から販売開始。
また、ボブルヘッド人形も世界限定3000個で予約が22日から始まったということです。
殿堂入りに関する3点を詳しく見ていきます。
1つ目が「満票ならず」で“怒りの声”も。
2つ目は、「アジア人初の殿堂入り!特典は…」。
3つ目は「Tシャツにどこでもドア?」です。
まず1つ目が“満票ならず”ということなんですが、そもそもアメリカの殿堂入りの方法というのは、対象になっているのがメジャーで10年以上プレーしている選手で、最後のプレーから5年以上が経っていることが条件です。
投票できる方も決まっていて、全米の野球記者協会に10年以上在籍している記者。
成績、品格、貢献度などを総合的に考慮して、75%の得票率で殿堂入りになるということです。
イチローさんに関しては満票でいけるんじゃないかと言われていたんですが、実は394分の393で残念ながら1票足りず、99.75%。
もちろん75%をはるかに超えていますが、野手初めての満票には至らなかったということです。
2つ目、現地のメディアでも怒りの声が出ていて「投票しなかったやつは誰なんだ!」「投票しなかった方は公表されるべきだ」などと言われています。
ただ、当の本人・イチローさんは「1票足りないというのはすごく良かったと思う。色んなことが足りない、人って。自分なりの完璧を追い求めて進んでいくのが人生。不完全であるってことはいいなって。生きてる上で、不完全だから進もうとできる。そこに向き合えるのはよかった」とコメントしています。
また、イチローさんの父・鈴木宣之さんも「全部満票だと“そんな完全な人間がおるのかな”という気持ちでおりました。どこか欠けててちょうどいいとの思いでしたので、ホッとしました」と、同じようなことを言っていました。
次に、殿堂入りの特典について「イット!」MLBキャスターの鈴木優さんに聞くと、アメリカ野球殿堂博物館にレリーフが飾られるということで、「メジャーリーグはアメリカだけではなく、いろいろな国の代表が集まる。そこで殿堂入りするということは、世界で殿堂入りするということで、例えようのない偉業です」「メジャーの殿堂入りをする方々は、何もいらないぐらいお金を持っていますから」ということでした。
最後に、イチローさんのファッションについて。
会見の際にイチローさんが着ていたTシャツに、どうやら「ドラえもん」のどこでもドアのようなものが描かれていたということで、記者から質問がありました。
これに対しイチローさんは、「ノブの部分が野球のボールになっている。自分が好きなことを見つけて、夢中になることに飛び込んでいこう。そのドアを開けてみようというメッセージが込められている」と答えました。
またイチローさんは過去、現役時代からキャンプ入りする時に「ハッスル」「人生は42歳から始まるんやて」など、さまざまなメッセージやイラストが描かれたTシャツを着て話題になっていました。
イチローさんは2日後、アメリカ野球殿堂博物館で行われる式典に出席する予定だということです。