震災・原発事故から9年半…2020年9月5日で避難指示の解除から5年を迎えた福島県楢葉町。

一時は全ての町民が避難したが、2020年7月末の時点では人口のおよそ6割4000人あまりが町内で生活している。

一度は荒れてしまった楢葉町の農地がかつての姿を取り戻しつつある。

アイデアファーム・鈴木恒男さん:「(これは?)イノシシ除けの電気柵です。人が増えると、やはりイノシシも少なくなってくる」

鈴木恒男さんは、避難指示の解除をきっかけに避難先のいわき市から自宅へ戻り農業を再開した。

アイデアファーム・鈴木恒男さん:「土地が復元出来るのかなという思いは最初ありましたね。負けないように、やっていこうという気持ちが、あったんで今この状況になったのかなと思います」

広げてきた水田の面積は2020年は15ヘクタール、2021年は20ヘクタールとなる見込み。

町内全体でも水田の面積は拡大していて、2020年は237ヘクタール。

震災前の410ヘクタールに近づいてきているが、課題も…

アイデアファーム・鈴木恒男さん:「私と家内2人で田んぼやってるんですけど、後継者を早く作りたいなと思っています」

後継者、担い手の確保。

楢葉町松本幸英町長:「いわゆる営農意欲を出して頂くという事が最終的な町の思いでありますから」

楢葉町は、農業の魅力を伝えること、そして農業できちんと稼げるようにすることが大事だと考えある作物に着目した。大阪の会社が設立した「福島しろはとファーム」と協力してサツマイモの栽培に力を入れている。

福島しろはとファーム・内田政樹さん:「非常に適した土壌の場所も多いので、これから非常に面白い産地になるのかな」

「夏はずっと、草と除草と追いかけっこしています」

宇佐見和恵さんは2019年 避難先から富岡町に戻り、しろはとファームで働き始めた。

宇佐見和恵さん:「辛い時もありますけど、その分楽しかったりもするので、充実してます。地元で仕事が出来るっていうのは、一番嬉しいです」

原発事故に伴う避難で荒れてしまった故郷。

農業を通じて復興に携われる事に喜びを感じている担い手の一人。

宇佐見和恵さん:「自分達で関わっていけるという事で、とても嬉しいですし。前と同じような、ふるさとが戻っていけたらなと思います」

避難指示の解除から5年。

復興への課題は残されているが、楢葉町には確かな希望も見えている。