阪神淡路大震災から30年。

折しも15日、政府の地震調査委員会が南海トラフ巨大地震の発生確率を引き上げました。

阪神淡路大震災以降、全国で地震が相次ぎ、「活動期」にあると警鐘を鳴らし続けてきた県内地震研究の第一人者にそのリスクについて聞きました。

県内地震研究の第一人者、構造地質学が専門の富山大学竹内章名誉教授です。

*富山大学 竹内章名誉教授
「日本列島の中ではやはり(地震の)活動期がある。今度くる南海トラフ地震はいつなのか、それに相前後して内陸で地震が起きる、そういう活動期があるという見方」
 
竹内名誉教授の地震研究はとりわけ富山への影響が懸念される活断層を中心に1979年から始まりました。

*富山大学 竹内章名誉教授
「平らに磨かれたようになっている。これが断層運動そのもの。手前に出てくるような動きをしている」     

常に視野に入っていたのが過去、繰り返し発生している東海、東南海、南海の3つの震源域が連動する南海トラフ巨大地震です。

*富山大学 竹内章名誉教授
「東海地震はいつ起こってもおかしくない。常々、心構えをしておくことが富山の人にとって大事だと思っている」

阪神淡路大震災の9年後、2004年に震度7の揺れが新潟県を襲いました。

*富山大学 竹内章名誉教授
「日本列島全体が活動期に入っているという見方が出てきて当然」         

能登半島でたびたび発生する地震、竹内名誉教授は去年元日の能登半島地震の発生メカニズムを予見していました。

*富山大学 竹内章名誉教授
「93年にマグニチュード6.6、珠洲沖で起きた。今回それを上回るマグニチュード7.1だった。能登半島の先端の伸びの方向に地震が並ぶ可能性が大いにある。海底の活断層も能登・北陸にとって要注意」         

2010年には富山湾初の海底活断層の調査も。

津波を引き起こすおそれのある活断層の存在を突き止めた瞬間です。

*富山大学 竹内章名誉教授
「ここを境にして地層が変わる。これが呉羽山断層の海域延長部」         

*富山大学 竹内章名誉教授
「南海トラフ巨大地震は、東日本大震災の日本海溝の巨大地震。それの西日本版。次の地震が近い。2030年代より(発生までの間隔が)短い可能性がある」    

その南海トラフ巨大地震、政府の地震調査委員会は15日、「70から80パーセント」としていた発生確率を「80パーセント」に引き上げたと発表しました。

*富山大学 竹内章名誉教授
「80パーセント程度に高まったというだけではなくて、切羽詰まり方が非常に前倒しになってきたと捉えなければいけない」  
    
Q)短いパターンでは?
「もう今年くらい(に起きる可能性もある)ということになってしまう」  

まさにいつ起きてもおかしくない切羽詰まった状態、その時、富山への影響は、

*富山大学 竹内章名誉教授
「南海トラフ地震が起きたら富山はどんな震度になるかという図。狭い範囲では6強になる可能性のあるところも。一応この図では平野部がだいたい5強。その中でも富山市の北部、滑川や上市町、呉羽山断層帯沿いの富山市の一部、射水市。こういうところは(軟弱な)地盤の関係で揺れが強くなりそうだと。能登半島で(液状化など)地盤の災害が出たところはやはり南海トラフ地震でも同じことが、あるいはもっとひどいことが起きる可能性があるという風に考えざるを得ない」

そのうえで竹内名誉教授は、南海トラフ巨大地震が発生するまで、活動期が続くと指摘します。

*富山大学 竹内章名誉教授
「南海トラフ地震の起きる前の30年、そのあとの30年、比較的長い期間の中に活動期がある。それが過ぎれば静かな時期になる。南海トラフが起きれば静穏期に向かっていく。南海トラフが)起きるまでは活動期にあるということなので、非常に南海トラフ地震と活断層は密接な関係を持っている。さらにそれが前倒しになってくる可能性があるということを思うと、やはりその備えをより急いで進めていく必要がある」     

竹内名誉教授は巨大地震は「いつ起きてもおかしくない」危機感や緊張感をもって備えてほしいと話していました。

富山テレビ
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