アメリカ・ワシントンで7日、トランプ次期大統領がメキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変えると主張した。
さらに、グリーンランド買収やパナマ運河の所有権などにも言及し、就任前から波紋が広がっている。
「アメリカ湾こそふさわしい」大統領就任直前に“挑発発言”
アメリカのトランプ次期大統領の記者会見での発言が波紋を呼んでいる。

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
メキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に変更すると主張しました。
青井実キャスター:
大統領就任を直前に控える中、なぜこうした“挑発発言”を連発しているのでしょうか。
トランプ次期大統領の挑発発言が止まらない。
トランプ次期大統領:
われわれは、「メキシコ湾」の名称を「アメリカ湾」に変更する予定だ。
トランプ氏が、7日の記者会見で発言したのは、メキシコ湾の名称だ。
その名称を「アメリカ湾」に変更すると突然主張した。
トランプ次期大統領:
なんと美しい名前だろう。(アメリカ湾こそ)ふさわしい。

それだけではなく、今度はグリーンランドについても言及した。
トランプ次期大統領:
国家安全保障の目的のためにグリーンランドが必要だ。私はずっと前から、立候補するずっと前からそう言ってきた。
デンマークの自治領グリーンランドだけでなく、パナマ運河の所有権を訴えた。
こうした中、グリーンランドの空港に降り立った飛行機の機体には、大きく「TRUMP」の文字があった。

トランプ氏のプライベートジェット機「トランプ・フォース・ワン」から降り立ったのは、トランプ氏の長男、トランプ・ジュニア氏だ。
トランプ・ジュニア氏:
旅行で来ている。すばらしいところだと思うし、来てみたいとずっと話していたので。
記者:
お父さんは、何て言っていた?
トランプ・ジュニア氏:
「ハロー」って言っていたよ。
記者:
誰に対して?
トランプ・ジュニア氏:
きのう話したんだけど、グリーンランドの皆さん全員によろしくって言ってたよ。
あくまでもプライベートな日帰り旅行であるとした一方で、「アメリカを再び偉大に」と書かれた赤い帽子をかぶった人たちと集まり、その場で父親のトランプ次期大統領と電話で会話するシーンもあった。
トランプ次期大統領:
われわれは保障が必要だ。わが国が必要とし、全世界が必要としている。戦略的にそうしようとしている。

トランプ・ジュニア氏は、SNSに「グリーンランドは、アメリカとトランプが大好きです!素晴らしい人々で、歓迎も素晴らしいです」と投稿した。
グリーンランドには、アメリカ軍の基地や大規模な宇宙施設があるほか、レアアースなど天然資源も豊富にあることから、アメリカにとって戦略的に重要な場所となっている。
トランプ氏は、1次政権時代から買収に意欲を見せていた。
またトランプ氏は、カナダについて、「51番目の州になるべき」と発言し、合併への関心を表明した。
“事実と異なる”発言も…同盟国に怒りあおる
1月20日の大統領就任を直前に控え、こうした“挑発発言”をなぜ連発しているのだろうか。

フジテレビ・風間晋解説委員:
ほかの国々に対して、俺は君たちのもっと上を行ってるよと。君たちが想像もつかないようなことを俺は言うし、実現するかもしれないよねっていうふうに思わせよう、今までのトランプ以上のトランプだぞみたいなものを、印象づけたいっていうことはあると思います。

トランプ氏は、これまでロシアによるウクライナ侵攻を大統領就任「24時間以内」で終結させるとしてきたが、これを「6カ月」に修正した。
また、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の国防費を、GDPの2%から「5%」にすべきと発言している。
青井キャスター:
隣国などに対する“挑発発言”も相次いでいますが、どう見ていますか?
スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
パナマ運河の運営は中国がやってますとか、アメリカは議事堂乱入はヒズボラがやってますとか、事実と異なることも結構おっしゃってますし、同盟国に対する怒りもあおってますし、実現不可能な目標もたくさん掲げてるんですね。
これは選挙中の演説であれば、ある意味夢物語として聞き流せるんですけど、まもなく実力を握る立場としては異例な発言が多いなと思います。
これがトランプスタイルで、これから4年も続くため、心の準備が必要だ。
(「イット!」1月8日放送より)