早咲きの桜「啓翁桜(けいおうざくら)」の栽培に取り組んでいる秋田県鹿角市で、今シーズンの出荷が始まっています。市内の農業用ハウスでは農家が選別作業などに追われています。
啓翁桜は薄紅色の小さな花をつける早咲きの桜で、正月や卒業式などハレの日を彩る花として人気を集めています。
鹿角市は、農家の冬の収入源として2015年から啓翁桜の特産化を進めていて、5つの法人と9人の農家が栽培に取り組んでいます。市内の農業用ハウスでは、栽培グループの代表が切り枝の選別作業などに追われています。
啓翁桜は、秋に刈り取ってから低温の環境に一定の時間置く必要がありますが、近年は秋に高温が続いています。そのため今シーズンは例年より10日ほど早く刈り取り、その時間の確保に努めました。
その結果、初出荷は12月16日と例年より4~5日早くなりました。栽培開始当初から目標にしてきた“日本一早い出荷”を初めて達成したということです。
かづの啓翁桜栽培グループの佐藤義隆会長は、「鹿角の冷涼な気象条件を生かして早出しということで今までやってきたが、日本で一番サクラの出荷が早いという実績となった。鹿角の啓翁桜はピンクが強くて、秋田の女性のようにかれんできれいなので楽しんでもらいたい」と話しています。
啓翁桜の出荷は3月いっぱい続く見込みで、県内では鹿角市のほか、大館市の生花店などで販売しています。