マスク着用拒否でのトラブルが社会問題に

いま韓国では、マスク着用をめぐるトラブルが相次ぎ、社会問題になっているという。

8 月27日、韓国・ソウル市を走行中の地下鉄の中で起きたトラブル。

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マスクを着用するよう迫られた男が、手に持ったスリッパで乗客の顔をはたいている。
男はさらに別の乗客もスリッパではたき、もみ合いを続けていた。
すると…

今度は画面左から、傘を持った別の乗客の男性が現れた。
この男性は、スリッパで人をたたいた男とは別のマスクを着用していない乗客に「なぜマスクを着けない?地下鉄に乗る際は着けろってなったでしょ?」と詰め寄っている。

マスク着用をめぐり、1両の電車の中で2つのトラブルが同時進行していく…。

その後、スリッパを振り回して暴れ続けた50代の男は、駆けつけた警察官に暴行の現行犯で逮捕された。

男は逮捕後「マスク着用が義務化されたことを知っているのか?」とメディアから問われた際、「知らなかった。申し訳ありません」と白々しく答えたという。

こうしたマスクをめぐるトラブル増加の発端となったのは…

ソウル市職員・男性:
きょうの深夜からマスク着用を義務付けています。
ソウル市民は飲食などやむを得ない場合を除いて、室内や集会など、大衆の集まる所でマスク着用が義務付けられています

ソウル市では、新型コロナウイルスの新規感染者が急増していることを受け、飲食などのやむを得ない場合を除いて、屋内外問わず8月24日からマスク着用の義務化がスタート

ソウル市の警察にはマスク着用の義務化が始まってから5日間で、1280件ものマスク関連の通報が入った。

さらに、こうしたマスクをめぐるトラブルは義務化前の17倍に急増しているという。

マスク着用反対を呼び掛ける男性を直撃

マスク着用義務に反対している男性:
命と自由、どっちが大事ですか?命より自由の方がとても重要です。
今、政府は何をしていますか?コロナが終息するまでは人の命が自由よりも大事だという言い訳をしながら、皆様の自由を奪っています。
私はこれで死んでもかまいません。皆様、マスクを外してください。皆様の自由のために戦うべきです。

こちらは8月24日、ソウル市の隣、コヤン市で撮られた映像。
マスクを外すよう訴えているのは、コヤン市に住む29歳の男性だ。

コヤン市は、ソウル市よりも早い8月18日からマスク着用が義務化されていて、違反者には約27万円の罰金が科せられるという。

一体、なぜこの男性は罰金のリスクを負ってまでマスク着用反対を呼び掛けるのか?
「直撃 LIVE グッディ!」は本人を直撃した。 

マスク着用義務に反対している男性:
(義務化は)自分の意志でマスク着用を拒んでいる少数の人たちを押さえつけている。
政府が国民同士にけんかさせている。マスク着用を超え、大きな問題だと思う。

義務化により、人々の中に他人を監視する意識が生まれ、国の雰囲気が変わってしまったことへの抗議だと男性は訴えるが…マスクが感染拡大を防ぐ効果については、「自分は感染しない」と身勝手な主張を繰り返した。

こうした問題は韓国だけでなく、世界中で起きている。

世界中でトラブル増加の原因は一体…

宮澤智アナウンサー:
相次ぐマスク着用をめぐるトラブルは、韓国だけでなく世界中で起きています。
こちらアメリカでは…

・アメリカのある航空会社は「2歳以上の全ての旅行者は(中略)鼻と口を覆うマスクかフェイスカバー着用の必要がある」と方針を打ち出している。

6人の子供を持つ母親が、搭乗時に「2歳の娘はこの数カ月間ずっとマスクをしたことがない。娘にマスクを着けさせたけれど取っちゃうのよ。私に娘の手足を縛れとでも言うの?」と抗議。
すると、母親と6人の子供全員が搭乗を拒否されたという。


・乗客たちからは「そのままにしてあげなさい」という声もあがっていた。

宮澤智アナウンサー:
この母親と6人の子供たちは、別の航空会社で帰ったということです

カンニング竹山:
WHOも、5歳以下の子供はマスクをしない方がいいと言っていたじゃないですか。
だから航空会社の認識が間違っているというのもある。
だけど、その航空会社が決めた決まりであれば、それに従わないと… というのはありますよね。
ちょっと違うけど、下着姿で飛行機乗ったら多分降ろされるじゃないですか。それはズボン履いてくださいって。
「うちはマスク着けなきゃダメなんです」ってこの航空会社が初めに決めているのであれば、守らなきゃいけない気はしますね

生稲晃子:
そういうのも、調べてから乗らなきゃダメですね。こういう決まりはきちんと何かに書いてあるでしょうから。
ただ…やっぱり2歳のお子さんは嫌がりますよね

カンニング竹山:
そこがちょっとやりすぎですよね

生稲晃子:
うん、(マスクを)していれば騒いでしまうし、親御さんは大変かわいそうだなと思います

宮澤智アナウンサー:
韓国ではマスク着用の義務化によって、新たなトラブルが生まれています。
トラブル増加の理由を、犯罪心理学者の出口保行さんに伺いました。

・トラブル増加の理由1…心理的リアクタンス
自らの自由を他者から脅かされた時に生ずる。そもそも持っていた自由を回復しようと反発すること。人から指図されるとやりたくなくなる心理。

・トラブル増加の理由2…規制の強化に乗じた行動の噴出
規制が強まるほど「マスクをしていないのが悪い、だから攻撃されても当たり前だ」と、攻撃行動の正当化を盾として、自らの不満やストレスを変換するものがいる。

安藤優子キャスター:
日本では義務化はされていませんが、「あ、マスクしてない!」って言って、一般の人たちが「マスク警察化」してるって話題になりましたよね

高橋克実:
たしかに義務化って難しいと思うんですけど、「自由を奪っている」と主張する前に、人に迷惑をかけないという気持ちがまずあれば、こんな事にならないと思うんですけどね

安藤優子キャスター:
自分がハイリスクなグループに属している方とか、ご家族にそういう方がいらっしゃる方は、感染することに対してとても敏感になってらっしゃると思います。
そういう人たちもいるんだということをちょっと配慮してほしいですよね。
“マスクをしない自由”みたいなものを主張するのもまた自由なのかもしれませんが、こうした行為によって感染が拡大する可能性があることは否定できないと思います。

(「直撃LIVE!グッディ」9月2日放送分より)