女子高校生が乗った自転車が85歳の高齢男性に衝突し、男性が死亡する事故が起きた。
いったいなぜ事故が起きてしまったのか、現場を取材した。
自転車は「自転車専用レーン」ではなく歩道を走行
事故は8日の日没直後、歩行者と自転車が行き交う歩道で起きた。
この記事の画像(17枚)8日午後5時ごろ、東京・三鷹市の歩道で自転車に乗っていた高校1年の女子生徒(16)が散歩をしていた峰岸幸喜さん(85)と衝突した。
峰岸さんは、頭を強く打ち死亡し、女子高校生は、唇を切る軽傷を負った。
事故が起きた現場は、どのような場所なのか。
道幅は3メートルほどあり、緩やかな傾斜がかかっていて、自転車はスピードが出やすいように見える。
車道には、自転車専用レーンがあるものの、車を避けてか、ほとんどの自転車が歩道を走っていた。
警視庁によると、女子高校生は自転車に乗り、緩やかに下る歩道の左側を走行。
この時、相手の峰岸さんは反対方向からのぼってきていて、女子高校生の自転車と衝突したという。
近隣住民からは「緩やかな坂なんだけど、自転車って意外とスピード出ちゃうんですよ。去年かな?僕の友達が自転車ではねられて、けがしました」、「やっぱりここ、坂で結構スピード出るので、私も小さい子2人いるので気をつけて歩いています」などといった声が聞かれた。
日没前後1時間の死亡事故は10月~12月が最多
警察庁によると、日没前後1時間における死亡事故は、10月から12月にかけて最も多く発生している。
時間帯別では、午後5時台から午後7時台が最も多くなっている。
さらにその時間帯の自動車と歩行者の死亡事故は419.5件と、全体の約半数を占め昼間の約3.3倍にのぼるという。
今回の事故が起きた午後5時の状況はどうだったのか。
現場は街灯が少ない場所ということもあり、周囲はほぼ真っ暗。昼間と比べ、歩行者を認識しづらい明るさといえる。とはいえ、まったく見えないというわけでもない。
女子高校生は、なぜぶつかってしまったのか。
警視庁の調べに対して、女子高校生は「ぶつかる5~6メートル手前で、下を向いていたらぶつかった」と話し、男性が近づいていたことに気づいておらず、「寒かったから下を向いていた」という。
次第に暗くなり、お互いの発見が遅れる夕暮れ時。
ちょっとした気の緩みが命に関わる事故につながるため、細心の注意が必要だ。
(「イット!」12月9日放送より)