能登半島地震や豪雨で被害を受けた北陸地方の観光を盛り上げるためのアイデアを競う大会が、イギリス・ロンドンのビジネススクールで11月29日に開催され、北陸の自然や日本酒を楽しむ体験などを学生たちが提案した。
ロンドンビジネススクール(LBS)の日本人留学生を中心に構成する「LBS Japan Club」が、日本の地方都市のインバウンド誘致を目的とした「ビジット・ジャパン・マーケティング戦略コンペティション」を開催した。
LBSはアメリカのハーバード大学などと並び、世界トップ水準のビジネススクールで、世界各国から学生が集まっている。
2023年の初回に続き、2回目を迎える2024年は、1月の能登半島地震や9月の豪雨で被害を受けた北陸地方のインバウンド増加をテーマに設定。LBSのほか、イギリスの名門、オックスフォード大やケンブリッジ大MBA取得者など、アジアからアフリカまで多様なバッググラウンドを持つ学生132人、計35チームが参加した。
ANA総合研究所やNTTドコモなどが協賛している。
当日は、1次選考を通過した6チームが登壇し、LBSの教授らが審査を行った。
各チームのプレゼンテーションでは、北陸の酒どころを巡る「酒パスポート」のサンプルを実際に作成して配るチームや、現代アーティストの草間彌生さんとスキー場のコラボレーションを挙げるチームなど、ユニークな提案が相次いだ。
また、ほとんどのチームがインスタグラムやTikTokなどSNSを活用した提案を盛り込んでおり、マーケティング戦略におけるSNSの重要性を伝えていた。
大会で優勝したケンブリッジ大学のジャッジ・ビジネススクールのチームは、北陸の海の幸や日本酒の魅力に注目し、利用者が自分の旅行プランに合わせてカスタマイズできる「インタラクティブマップ」を提案。マップから予約サイトに直接飛べたり、行った場所にレビューを残して他のユーザーに共有できるなど、利用者が便利に使えるコンテンツの提供を提案した。
このチームには日本への研修旅行が贈られ、2025年2月に北陸などを訪問する。
現地で提案内容の実現可能性を検証するだけでなく、北陸の魅力を実際に体験してもらうツアーを予定しているという。
優勝したメンバーは、「チームメイトを誇りに思うし、他の参加者の素晴らしいアイデアを聞いてとても良い学びになった。コンペのリサーチを通して、北陸地方の魅力に気づくことができたので、実際に研修旅行で訪れるのを楽しみにしている」とコメントした。