商品棚に張り出された5枚の写真。
セブン-イレブンのある店舗で実際に講じられた、この“万引き対策”が物議を醸している。

「絶対に見つけます」“万引き犯”だという男性の姿はっきり

ライター売り場に置かれた写真には、商品名や金額とともに、男性らの姿がはっきりと映っていた。

セブン-イレブンに貼られた“万引き犯”の写真がSNSでも拡散
セブン-イレブンに貼られた“万引き犯”の写真がSNSでも拡散
この記事の画像(28枚)

男性らは、“万引き犯”だという。

「当店は万引きに厳しいお店です。絶対に見つけます」、「万引きは許しません」と書かれている
「当店は万引きに厳しいお店です。絶対に見つけます」、「万引きは許しません」と書かれている

写真には「当店は万引きに厳しいお店です。絶対に見つけます」、「万引きは許しません」と書かれている。

こうした店の万引き対策。

都内の万引き被害のうち、コンビニは全体の約4分の1を占める
都内の万引き被害のうち、コンビニは全体の約4分の1を占める

街の人はからは「もう腹に据えかねてのことだと思う。苦渋の決断と苦肉の策だったと思う」、「お店の人は防衛策としてやるべきだと思う。さらされても当たり前だと思う」といった声が上がった。

「写真の撤去に1万円」恐喝罪になる可能性も

警視庁によると、2024年10月末までに確認された東京都内の万引き被害は9451件。
デパートやスーパーなどの商業施設の次に多いのがコンビニエンスストアで、全体の約4分の1を占めるという。

写真を公開することで抑止効果を期待する声が聞かれた一方、懸念されるのが、写真の人物が本当に万引き犯かどうかという点だ。

60代:
もし違ったら大変だよね。この人じゃなかったら。

「仮に万引き犯であってもプライバシーの侵害や名誉毀損というところが問題になる」と弁護士
「仮に万引き犯であってもプライバシーの侵害や名誉毀損というところが問題になる」と弁護士

万引き犯とされる人物を公開することに法的な問題はないのだろうか。
弁護士に聞いた。

橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士:
仮に万引き犯であっても、その人の許可もなく写真を公開してしまうと、プライバシーの侵害や名誉毀損(きそん)というところが問題になってくる。

さらに、「写真の撤去に1万円かかる」としている点も、罪に問われる可能性があると指摘する。

橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士:
実際に払わせてしまったということだったら、私的制裁禁止に反してしまうので、刑法上の恐喝罪というものも視野に、警察は考えることになってしまう。

親会社「店舗を特定し写真は撤去」

親会社のセブン&アイ・ホールディングスは取材に対し、「すでにこの店舗を特定し、写真は撤去されている」と説明した。

セブン&アイ・ホールディングス:
SNS等でこのような投稿や意見があることは把握しており、対象の店舗を特定し、厳しく注意喚起を実施するとともに、すでに撤去されております。本事案については、プライバシーに対して配慮を欠いた対応であり、本部としても当該行為を容認できるものではございません。

加えて、「加盟店に配布する社内誌や定期的な案内を通じて、未然防止のポイントを伝えている」としている。
(「イット!」11月29日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(28枚)