JR東海道線の電車が2023年8月、傾いた電柱に衝突した事故について国の運輸安全委員会は電柱のひび割れから入り込んだ雨水で鉄筋が腐食し電柱が傾いて事故が起きたとする調査報告書をまとめました。
この事故は2023年8月5日の夜、東海道線上り電車(乗客1500人)が、大船駅の構内を走行中に傾いた電柱に衝突し、乗客4人と運転士1人がけがをしたものです。
国の運輸安全委員会が公表した調査報告書によりますと、電柱は、衝突事故が起きる約3分半分前に線路側に大きく傾いていて、電柱の傾斜角度は約23度と考えられるということです。
電柱の根元には、事故の相当前からひび割れがあり、雨水などがしみ込んだ結果、鉄筋の腐食が進んで破断し電柱が大きく傾いた可能性があるとしています。
また、報告書では、検査方法が目視のみだったため、ひび割れを見逃した可能性が考えられると指摘しています。
その上で再発防止策について「設計方法について見直すとともに、既存の電柱について補強や強固な構造への建て替え等の対策が必要」と提言しています。