作業着にマスクとメガネで変装…他社製の軽ワゴン車に

日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が3月6日保釈された。

多くの報道陣が注目する中、ゴーン被告は深々と青い帽子をかぶり、メガネを着用。マスクをした作業着姿で一見、本人とは分からない格好で東京拘置所の玄関を出た。

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近くに停めていた黒いワゴン車を指しつつも、少し離れた場所に停めていたスズキの軽ワゴン車に乗り込んだ。世界に名だたるカリスマ経営者が自社の高級車ではなく、他社の軽自動車で移動。

元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「私の経験では保釈された被告人が変装して、拘置所から出てきたのは見たり、聞いたりしたことないので、まず驚きでした。マスコミが付いてくるのをなるべく避けたいと、誰かが変装を考えたのだと思います」と話した。

巧妙な数々の伏線…スーツ姿で黒い車に乗り込むと思われていたが…

保釈を勝ち取った弁護団のアイデアなのか、格好だけでなく他にも報道陣たちを翻弄させたさまざまな仕掛けがあった。

拘置所玄関の正面には黒いワゴン車。その少し離れたところに作業用に見えるシルバーの軽ワゴン車が停まっていた

ゴーン被告のものと思われる布団が黒い車に積み込まれる様子を見ていた記者やカメラマンたちは、ゴーン被告が黒い車の方に乗り込むものと考えて待ち構えていた。

さらに、拘置所を訪れた他の関係者がゴーン被告の着替えと思われるスーツを手にして入っていく様子も目撃されていて、ゴーン被告はスーツ姿で出てくるのだろうと考えていた。

一方、もう一台のシルバーの軽ワゴン車の屋根には脚立が載せられ、窓には実在する会社名のシールが張られ、荷台には段ボールが山積み。また、保釈直前に似たような作業着姿の人たちが出入りしていたことも、偽装工作の一つだった可能性がある。

ところが、ゴーン被告は作業着姿でメガネとマスクで変装した姿で玄関から出てきて、さっさとシルバーの軽ワゴン車に乗り込んでしまったため、詰めかけていたカメラマンや記者も確証が持てず戸惑ってしまった。

軽ワゴン車のゴーン被告はその後都内の弁護士事務所へと向かい、作業着からスーツに着替え、帽子やマスク・メガネを取った姿が目撃された。

今後の裁判を考えるとデメリットも…

周到な用意の末に行われた“変装保釈”。

ただ、若狭弁護士はメリットよりも今後のデメリットが大きいと指摘する。
「今回、証拠隠滅を防止するために自宅玄関入り口に監視カメラをセットすることが保釈の条件でした。今後ゴーン被告が変装して出入りをしているんじゃないかというような、今までと違った観点での問題が生まれてくる。新たな疑惑に発展しかねない。そういう意味では、マイナスになると思います」と、今後の裁判での心証を視野に入れると、変装ではなく堂々とスーツ姿で出てきた方がプラスだったと話していた。

(「めざましテレビ」3月7日放送分より)

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