病気やケガをして医療機関を受診する際に欠かせない健康保険証についてです。

来月2日から、これまでの健康保険証、いわゆる”紙の健康保険証”の新規発行が停止されマイナ保険証に移行します。

国や医療機関は急ピッチで準備を進めていますが、今、県内の健康保険組合では混乱を招き、問い合わせが相次いでいます。

高岡市にある「三協・立山健康保険組合」です。
グループの従業員は7000人、家族も含めると1万人を超える加入者がいます。

こちらの健康保険組合では、社報でマイナ保険証の登録を呼びかける案内チラシを配布するなど呼びかけていて、マイナ保険証の利用率は9月時点で22%となっていますが、制度が誤って伝わっているケースもあり、組合員からは勘違いの問い合わせが相次いでいます。

*三協・立山健康保険組合 片原将元常務理事
「マイナ保険証と現在の保険証の関係性について問い合わせが多くある。一日最低でも5,6件。12月2日で保険証がなくなるという情報が出ているが、あくまでこれは新規発行がなくなるということ。決して今の保険証が使えなくなるという訳ではないが、勘違いされる方が多くいる。『12月2日以降、病院に行けないのでは』と勘違いされる人が多い」

マイナンバーカードを持っていない人、マイナ保険証の利用登録をしていない人、望まない人などに健康保険組合などの保険者から、12月2日以降に自動的に交付されるのが「資格確認書」です。
こちらは、これまでの保険証と同じように使うことができます。

ただ、この仕組みの認知度も低く、資格確認書を巡っても混乱を招いているといいます。

*三協・立山健康保険組合 片原将元常務理事
「情報が断片的に伝わっているようで誤解を招いている。あくまで資格確認書は12月2日以降でないと発行できないが、情報が伝わっていないため『今すぐください』と1週間に2,3回問い合わせがある。運転免許証だと現状の免許証とマイナ免許証の併用ができるが、保険証は1本化、急ぎすぎているような気がしている」

改めて整理します。
これまでの保険証は今後、期限切れになるまで、つまり最長で来年の12月1日まで有効ですが、政府は「マイナ保険証」を基本とする仕組みへの移行を進めています。

この「マイナ保険証」とは健康保険証の登録をしたマイナンバーカードのことで、これまでの健康保険証の代わりになるというものです。

そもそもなぜ、マイナ保険証を政府は進めているのでしょうかか?

メリットはマイナ保険証があれば、本人の同意によって個人の医療情報が共有され、初めてかかる医療機関でも正しい薬の飲み合わせなど、より質の良い的確な受診ができるとされています。

一方で手続きが分かりにくいこと、別の人の個人情報がひも付けられるミスなどがこれまで相次いだこともあり、情報の取り扱いやシステムトラブルなどを懸念する声もあります。

ただ、県内のマイナ保険証の利用率は23.59%と全国で1番高い割合となっています。(全国平均15.67%)

政府は医療のデジタル化を進めたい考えですが「制度が国民に伝わっていない、急いで進めている」という指摘もあるほか、実際には薬のデータ共有ができていないなどのトラブルも出ているようです。

高齢の介護が必要な人など、デジタルに弱い立場に寄り添うことも求められていますが、そのための改訂が次々と発生し、より制度を複雑にしているという指摘もあります。

「マイナ保険証」への一本化は来月2日にスタートします

富山テレビ
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