11月9日、群馬県でクレーンに人を宙づりにして移動させ、木の伐採作業をする業者が目撃された。15mを超える高さに男性が吊られながら作業する様子に、目撃者は驚きと恐怖を隠せない様子だった。弁護士は、クレーンで人を吊り上げる行為は違法にあたる可能性があると指摘する。
クレーンに人が宙づりに…
これはFNNが独自に入手した映像。
この記事の画像(29枚)人がクレーンのフックにぶら下がり、宙づり状態になっている。
衝撃的な光景に、撮影した人は「見たことない。すごいことするなと」話す。
一体何が起きていたのだろうか。
この映像は11月9日、群馬県内で撮影された。
ひとりの男性がクレーンのフックにぶら下がり、空中へと上がっていく。
撮影者によると、その高さは15mを超えるほどだったという。これはビルの5階に相当し、万が一落ちてしまえば、命に関わる高さだ。
その男性の腰の辺りには、チェーンソーの様な物がぶら下がっているのが分かる。
やがて、クレーンは男性を吊り上げたまま電線が密集する空中を移動。
向かった先は大きな木だった。
男性らは、宙づりの状態で木の伐採作業をしていたのだ。
目撃した男性は、「見てて怖いなあって思いました。(川の)向こうまで行って木を切って戻ってきたのですごいことするなと…(高さは)17~18mぐらい行っていた」と話す。
目撃者によると、作業は川の近くに止めたクレーンで行われ、吊り上げられた作業員が川の反対側まで移動し、宙づりのまま木を伐採。
そして、伐採した木と共に、元の場所に戻るという工程を何度も繰り返していたという。
“違法”にあたる可能性
この伸びた木の伐採作業は、自治体が建設会社に依頼したものだった。
重機による作業の管理に詳しい弁護士は、クレーンで人を吊り上げる行為について“違法”に当たる可能性を指摘する。
橋下綜合法律事務所 溝上宏司弁護士:
専用の登場設備が備えられているとか、見る限りそうは思えない。労働安全衛生法21条違反って形になるかと。6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金っていうのが法定刑として定められている。
一体なぜこのような危険な作業を繰り返したのだろうか。
「イット!」の取材に問題の建設業者は、「目的の現場が狭くて、川の反対側から作業をした」「人を吊ってはいけないと分かっていたが、それしか方法がなくやってしまった」と説明した上で、「今後、二度とこのようなことがないよう現場に指導していく」と回答した。
(「イット!」11月18日放送より)