東日本大震災の発生から、まもなく8年。
当時、幼稚園児だった6歳のわが子を亡くした2人の母親は、ことし被災現場近くに娘の名前が入った慰霊碑を建てることを決意した。
「2度と同じ悲劇を繰り返してはいけない…」。2人の母親は慰霊碑を通して、命の尊さを訴えかける。

2月7日、宮城県角田市にある工房では、一枚の大きな石碑に、ある女の子の名前が刻まれていた。

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佐藤愛梨ちゃん。
誰からも愛され愛を与えられるような優しい子になってほしい…そういう願いを込めて付けられた。

8年前のあの日、通っていた幼稚園のバスで家に帰る途中、津波と火災に巻き込まれ、愛梨ちゃんを含む園児5人が亡くなった。

愛梨ちゃんの母 佐藤美香さん:
あの頃は本当にもう目の前が真っ暗で、あの日の事は忘れない。
あの時は絶望じゃないけどそういう心境でしたね。
娘たちが生きた証しを残し、あの日の出来事を伝え続けたい。

愛梨ちゃんの母 佐藤美香さん

母親の美香さんは、震災から8年となる今年、子供達が被災した場所のそばに、同じ幼稚園バスで犠牲になった園児の遺族と一緒に、慰霊碑を建てることを決意した。

他にも慰霊碑を立てることを決意した母親がいる。
西城江津子さん。西城さんも当時6歳だった、娘の春音ちゃんを亡くした。

4人きょうだいの次女として生まれた春音ちゃん。おどけた顔を見せて友達や家族を笑わせ周囲を明るくしてくれる女の子だった。

春音ちゃんの母 西城江津子さん:
発見された時の姿がもうひどかったので、なんでこんなことになったのかと。あの姿は一生目に焼きついたまま、ずっと頭からはなれない

春音ちゃんの母 西城江津子さん

3月1日、慰霊碑が設置された。子どもたちが被災した場所から数メートルほどの市有地を無償で借り受けた。慰霊碑には愛梨ちゃん、春音ちゃんを含め4人の園児の名前を織り交ぜた詩が刻まれている。

愛梨ちゃんの母 佐藤美香さん:
たぶんみんな子供達が亡くなってから、一緒に戦ってきた。ようやくここまで来られたなって思います。 

春音ちゃんの母 西城江津子さん:
本当になんと言っていいのか…胸が熱くなったというか…8年経ってしまってごめんね、というのと、春音が生きていた証を残してあげられたら嬉しく思います

慰霊碑が設置された石巻市南浜地区には2020年度「南浜津波復興祈念公園」が完成する予定で、多くの人がこの場所を訪れる予定だ。

2人は、「あの日」「この場所で」、「幼い命が失われたこと」をこの慰霊碑を見て考えてほしいと話す。

春音ちゃんの母 西城江津子さん:
来てくれた人に子供の命は大切なんだと…たくさんの人に、1人でも多くの人がこの慰霊碑を見て、何か感じてもらえたら

愛梨ちゃんの母 佐藤美香さん:
訪れた人たちに『ここでこういうことがあったんだよ』と、まず知ってもらって、それを見て、いろんな意味で自分事として置き換えてもらい、色々と深く考えてもらえるきっかけになればいいなと思っています。

『あなたたちのことを伝え続ける…』震災から8年、2人のお母さんは、そう決意した。

(仙台放送)

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