11月からあるものが解禁された。この時期ならではの熱い戦いの解禁だ。福島県内では北塩原村を中心に展開されているが、実は最近では別の場所でも・・・ということで、情報を追って会津エリアを飛び越え取材してきた。
「おぉーすごーい!!いきなり!」解禁されたのは「ワカサギ釣り」だ。
北塩原村にある桧原湖で11月1日から解禁されたワカサギ釣り。この日は平日の朝だったが「大漁」を狙うハンターたちを乗せた船は熱気に包まれた。
「一回でいいからピックとしないかな~」
釣り客は「今の心境は内心穏やかじゃありませんが、とりあえず1匹を目標に目指して頑張ります」と話す。
なかなかヒットに恵まれない人もいれば…開始1時間半で20匹ほど釣った人も!
「家に帰って家族で天ぷらとか、唐揚げにしたいです」
<3月下旬まで釣りを楽しめる>
桧原湖では、今年も例年通り約1億7千万匹分のワカサギの卵をふ化させ放流させたということで、3月下旬まで釣りが楽しめる。
民宿ひばら・伊藤毅さんは「無事に桧原湖のワカサギが解禁したということで、多くのお客様に来ていただいていますので嬉しい限りです」という。
さて、多くの人を魅了するワカサギ釣りだが、福島県内では最近ある「変化」があるのだとか・・・福島テレビ・佐藤弘崇記者:「猪苗代湖に来ていますが、釣りをしている人が。見てください、桟橋に釣りをしてる人が見られますね」
<猪苗代湖でもワカサギ釣り>
佐藤記者が調査したのは、郡山市湖南町に面する猪苗代湖。
実はここ、5年ほど前からワカサギが釣れるようになり、檜原湖より1ヵ月ほど早く、毎年10月1日にワカサギ釣りを解禁している。このために栃木県から来たという人も。宇都宮市から訪れた男性は「栃木なんだけども、ワカサギが釣れるところないからね。だからこちらに来たり群馬に来たり色々です」と話す。
<水質が酸性から中性に変化>
この猪苗代湖…週末にはなんと1日100人以上が訪れるとのことだが、なぜ急に変化が?
猪苗代・秋元非出資漁協の薄智志組合長は「だいたい10年くらい前から中性化が進んで完全に中性なので、最初に増えたのはプランクトン、ワカサギは元々いたんですけど、なかなか卵を産まなかったり産卵できなかったりするのでそれがなくなった」と話す。
はっきりとした理由は分かっていないが、猪苗代湖では約15年前から水質が酸性から中性に変化・・・この水質がワカサギにとっては良い環境で、卵がふ化しやすくなり、猪苗代湖全体でワカサギが釣れるようになっていったという。
<ワカサギ釣りの人気スポットに>
すでにワカサギハンターの間では人気スポットのようだ。
「皆さんの話だと200とか300釣ってる人がいるみたいなんですけど、せめて50匹くらい釣れればなと」と話す人も。
観光資源としても期待できる「ワカサギ」、この季節の猪苗代湖に新たなにぎわいが生まれている。
<鉱山閉鎖で水質変化?>
ワカサギ釣り、いつのまにか猪苗代湖も人気スポットになっていた。
水質が変わった詳しい原因は分かっていないのだが、関係者によると、かつて猪苗代湖には近くの鉱山から酸性の水が流れ込んでいたと見られている。鉱山が閉鎖されたことで、酸性の水が薄まったと考えられている。
地元の漁協では、放流などによって一定の数を確保していく考えで今や、釣り仲間からの口コミで、猪苗代湖はワカサギ釣りのスポットとして定着しつつある。
平日の朝でもすでにお客さんは集まってきているということだが、今後の本格的なワカサギシーズン、待ち遠しい。
<昨季は暖冬で氷上の釣りが解禁されず>
実は桧原湖などでは、2023年から2024年にかけて暖冬の影響で湖面が凍らず、氷上のワカサギ釣りが解禁されなかった。しかし、今季は寒くなって雪が降るという予報もあるので、氷上でのワカサギ釣りができることに期待したい。
ワカサギ釣りは来年3月いっぱいまで行われ、1月下旬からは氷上でのワカサギ釣りも解禁される見通しだ。
みなさんも大漁を狙って、足を運んでみてはいかが?