警察や検察を装った特殊詐欺が県内で相次いでいる。山形市の男性は警察官を名乗る男から「悪用された銀行口座の凍結を防ぐ」名目で現金5500万円あまりをだまし取られた。
県警によると、今年6月、山形市の60代男性に総合通信基盤局のアキモトを名乗る男から電話があった。アキモトは「あなたの個人情報が悪用され多数の被害者がいる」と男性に話したあと、仙台北警察署のイグチと名乗る男に電話を代わった。
イグチは男性に「あなたの口座がマネーロンダリングに利用され、あなたが口座を売った容疑者だと疑われている」と話し、男性はSNSで供述調書や秘密保持誓約書の画像を見せられたことでイグチの話を信用してしまったという。
その後、検事を名乗るマツモトや仙台北警察署のイグチから再び連絡があり、「あなたの資産を凍結する」「無実を証明するには口座にあるお金をスクリーニングする必要がある」などと言われた。
そして新たに銀行口座を作るよう指示され、男性は7月11日以降、新たな口座に7回にわたり、現金約5560万円を送金したという。その後、何も連絡がないことを不審に思った男性が警察に相談したことで被害が発覚した。
県内では10月と11月にも警察官を装った電話による特殊詐欺が発生し、県警は「警察や検察が現金を要求することは無い」として注意を呼びかけている。