廃炉作業に向け福島第一原発から取り出された燃料デブリが、敷地外の研究施設へ搬出されたことについて、不安ばかりでなく、今後への一歩となることを大きく期待したいという声もあった。
廃炉への作業を安全に、着実に進めていってほしい。
今回の運搬作業も住宅や店舗のすぐそばなどを通っていたが、この車の中ではデブリが三重の容器に入れられ放射線を遮るようになっていて、周囲への安全は確保できているということだ。
一方で気になるのは今後の廃炉だ。今回の取り出しは0.7グラムだから一歩といえどほど遠い気もするが…。
1号機から3号機までには880トンの燃料デブリがあるので、単純に計算すると、2051年までの27年で1日90キロくらいを取り出さなければいけない計算になる。
今後の分析を通して期待できるのは、原子炉の中のより正確な状況の把握やデブリの構造を知ること。いわば、今後の取り出しの「狙い所」を定めたり、核燃料とそうでない部分を切り分けてデブリそのものを減らすなど、廃炉に向けた作業の道筋がより明確になることが期待されている。
事故から13年8ヵ月が経った。
廃炉の今後の姿、私たちにも見えるように確実に前に進んでほしい。