元日の能登半島地震で、被災した住民を苦しめたのが断水です。石川県が手取川から引いた水を七尾市まで供給する総延長184キロにおよぶ水道管があります。能登半島地震では送水管が外れるなど15カ所で被害が発生し、復旧に2カ月かかりました。
実はこの送水管を新たにつくる事業が、前回2007年の能登半島地震を受けて14年前から始まっているのをご存じでしょうか。
県は今回の能登半島地震を受け工事を2年前倒しすることを決め、12日、野々市市から金沢市までの15キロの区間で工事が終わり、水道管の使用が始まりました。
馳知事:
「県水送水管の2系統化について整備計画を2年前倒しして工事を加速化し令和12年度までの完成を目指す」
今月7日に開かれた会見でこのように述べた馳知事。2007年に発生した能登半島地震をきっかけに進められてきた送水管の2系統化工事を2年前倒しし2030年に完了する方針を明らかにしました。
1980年手取川ダムの建設と同時に始まった県の水道供給事業。総延長184キロに及ぶ送水管は、白山から流れる豊富な水を七尾まで運んできました。
しかし、整備から数十年が経過し、送水管の老朽化が進んだ事や、2007年の能登半島地震では、七尾市内で送水管が外れ、一時断水する被害も発生しました。
このため、当時の谷本知事は、約1000億円をかけて新たな送水管の整備を決めたのです。
工事では、これまでの送水管とは別のルートで耐震化がされた送水管をおよそ130キロに渡り整備する計画です。すでに整備が完了した区間では、元日の能登半島地震による被害はありませんでした。
リポート:
「きょうから2系統化が始まるのはここ野々市市から金沢市までの延長15キロです。」
12日から使用を開始するのは野々市市末松(すえまつ)地内から金沢市大河端町(おこばたまち)までの15キロの区間。作業員がマンホールの中に入り約30分ほどかけてバルブを開けていきました。
県によりますと断水は水道管のつなぎ目が外れるケースが多いため新しい水道管はつなぎ目が外れにくい構造になっているということです。
県送水管耐震化推進室 北谷高志担当課長:
「耐震管が敷設された区間については(地震の)被害報告がなかったということから大変、有効な策であると考えております少しでも早く安全で安心な水を届けられるようにと考えています」
未整備区間は総延長の約4割に当たる残り53キロで、県は予算を増額し整備を加速させる方針です。