俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。
前回に続き、あべの・天王寺エリアの魅力に触れていきます。
大阪出身の大東さん、学生の頃に天王寺にはよく来ていたのですが、今年開業10周年の「あべのハルカス」に来たのは初めてだそうです。
■「阿倍野歩道橋」グッドデザイン賞の秘密
【大東駿介さん】「すごいですね、この歩道橋。ハルカスも見えるし、通天閣も見えるし、いいスポット」
JR天王寺駅、あべのハルカス、あべのキューズモールといった、界隈の主要スポットを結ぶ大きな歩道橋。開通の翌年、2014年にグッドデザイン賞を受賞しました。
受賞の理由を街の人に聞いてみると、「見通しがいいから」「(上から見ると)星座の形」などの答えが飛び出しました。大東さんは「屋根が何かの文字を表している」と予想しましたが…
正解は、上から見ると、アルファベットの「a」の形を表しているのです。アルファベットの最初の「a」、そしてあべの(abeno)の頭文字でもある「a」。この場所が「人々の活動の起点となるように」という願いが、デザインに込められています。ちなみにすぐ近くの天王寺MIOから見下ろすと、その形を確認できます。
■「あべのハルカス」展望台の不思議 “幻”の通天閣が現れる
続いて「あべのハルカス」へ。
段差のある形状が特徴的ですが、強い西風が吹く“ビル泣かせ”な場所に立っているので、風を受ける面積を減らすためにこの形状になっているのだそうです。
それではハルカス60階、地上約300メートルの「展望台」へ。
【大東駿介さん】「うわ、すっご!想像を超えるな」
街を見下ろすと、まるでジオラマのよう。そばには通天閣も。ちなみに、夜になると別の場所に“もう一つの通天閣”が現れるとのことで、大東さんは「どこかに光が反射して見える」と予想します。
予想は大正解。ハルカス事業部の杉山さんに案内していただくと、本物の通天閣とは違う方向に歩き出しました。
【ハルカス事業部 杉山達哉さん】「あちらに見える(JR)寺田町駅なんですが、この辺に幻の通天閣が登場するんです」
夜になると必ず現れるわけではなく、気象条件や光の屈折といった条件が重なることで見られるとのこと。映像を見せてもらうと、本物の通天閣からおよそ120度東の方角の窓ガラスに、確かに“もう一つの通天閣”が。何とも不思議な光景です。
■地下には「2トンを10キロにする」日本初の設備
あべのハルカスでは“特別な場所”に行ける「ツアー」が行われています。
【ハルカス事業部 杉山達哉さん】「屋上にヘリポートがありまして、そこに行ける『ヘリポートツアー』や、地下5階のバックヤードに行ける『バックヤードツアー』も」
ヘリポートツアーは、地上約300メートルを吹き抜ける風を感じながら、360度の絶景を楽しめます。
今回は深さ26メートル、地下5階の「バックヤードツアー」に案内してもらいました。
地下の扉が開いた瞬間、独特の“におい”に思わず声を上げた大東さん。
異臭の正体は「メタン発酵槽」と呼ばれる装置。ハルカス内の百貨店やレストランなどで排出された生ごみを、微生物の力で分解するものです。高層ビルの中では、あべのハルカスが日本で初めてこの設備を導入したそうです。
生ごみをディスポーザーで粉砕し、メタン発酵槽へ送り込み、バイオガスを発生させて電気や熱を作る仕組みとなっています。
あべのハルカスでは1日に約2トンの生ごみが出ますが、この設備を使うと約10キロにすることができます。通常、生ごみの処理には多くのエネルギーが必要です。しかし、生ごみを運ばず、燃やさず、全てビル内で処理することで、処理費用とCO2の削減に貢献しているのです。
今回初めて「あべのハルカス」を訪れた大東さん。地上300メートルの景色から、地下で行われている取り組みまで、さまざまな発見をできました。
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2024年10月24日 木曜日放送)