福岡県うきは市で2021年、叔父を車でひいて殺害し保険金をだまし取った罪に問われている男が、31日に開かれた控訴審の初公判で、改めて無罪を主張しました。
大きな体を揺らしながら法廷に入った男。
◆裁判長
「職業は?」
◆松成英一郎被告
「会社やっております。無職になってるかも分からんですけど」
殺人などの罪に問われている松成英一郎被告(57)です。
事件が起きたのは2021年4月。
松成被告は、うきは市の駐車場で叔父の西村一敏さんを車で何度もひいて殺害し、その後、事故で死亡したかのように装い、死亡保険金約1500万円をだまし取ったなどとされています。
一審で松成被告は一貫して無罪を主張していましたが、検察は「人の命を金に換える犯行で強盗殺人に匹敵する」などとして無期懲役を求刑し、福岡地裁は松成被告が犯行に及んだと認定し、求刑通りの判決を言い渡しました。
このため弁護側は「被告が事件現場にいた直接的な証拠がない」として即日控訴していました。
31日に福岡高裁で開かれた控訴審の初公判で、検察は「控訴する理由がない」として、控訴棄却を求めました。
一方、弁護側は新たな証人の出廷などを求めましたが裁判所に却下され、10分足らずで即日結審となりました。
閉廷後、松成被告は担当弁護士に
「俺は、何のためにここに来たんですか?」
と、不満を語って法廷を後にしました。
判決は11月27日に言い渡される予定です。