「仁淀ブルー」で有名な清流にある滝つぼ
高知県いの町にある滝つぼ。
日本一の水質を誇る清流・仁淀川の絶景スポットとして知られている。

高知市内から車を走らせること1時間20分。
今年1月下旬、まだ雪が残るなか坂道を下りていくと見えてきたのが「にこ淵」だ。
仁淀川水系の源流、枝川川に流れ込む滝つぼ。
寒い冬のこの時季は、水の中の不純物が少ないことから一年の中で最も透明度が高い。
水の中を覗いてみると、青が織りなす神秘の世界が一面に広がる。
これが「仁淀ブルー」だ。
天気が良ければ、午後1時半ごろ~約2時間にわたって、柔らかな陽ざしが滝つぼに降り注ぐ。
まるで無数の宝石を散りばめたような光景「仁淀ブルー」が最も輝く瞬間だ。
清流のほとりに生息する野鳥、キセキレイの姿をみることもできる。

美しき滝つぼの秘密は
深い森の中に佇む「にこ淵」。
10年程前、土地の所有者が手入れしたことによって滝つぼに光が差し込むようになり青の光景が生まれた。
最も輝く青く美しい季節、それは冬。
その理由は・・・。
夏になると「にこ淵」は、川底に藻が繁殖することによってエメラルドグリーンに変わるが
水温の低い冬は、藻が繁殖しないため水の透明度が増すからだ。
この青が映える「仁淀ブルー」は4月中旬ごろまで楽しめるという。
その後は徐々にグリーンがかった色に変わり周りのの木々も新緑を迎え様々な表情を楽しむことができる。
そこに太陽の光が差し込むと波長の短い青の光がそのまま反射し、究極のブルーを作り出す。
季節によって、時間によって見せる表情は様々だ。
何度も撮影に訪れるというカメラマンはこう語る。
「その日その日で全く色が違う。何度訪れても魅力を感じられる場所」

地元に残る〇〇伝説
「にこ淵」には、こんな言い伝えがある。
ーーー「大昔、にこ淵の滝上部の両岸にかかる丸太の棒を渡っていた“みこ”という女性が転落したためみこ淵と呼ばれるように。それが『みこ淵』…『にこ淵』と呼ばれるようになった」ーーー

地元では"神聖な場所"とされてきたが、この奇跡の風景がインターネットを通して紹介されるやいなや、
全国から大勢の観光客が訪れる人気スポットになった。
地元の人は「自然にできた淵。大きな淵なんですけど宝ですね。地域の宝物だと思います。遠方からにこ淵を見に来てくれるのは嬉しいですね」と話す。
大自然が生み出した青の芸術「にこ淵」。いつまでも遺したい高知の絶景だ。
【現地までのアクセス】
高知県吾川郡いの町清水上分(きよみずかみぶん)1278
〇車 伊野ICから約1時間
伊野IC~国道33号線~国道194号線~グリーンパークほどの入り口~町道~にこ淵
【問い合わせ先】
いの町観光協会 088-893-1211
入水・飲食・トイレなどの行為は禁止されいるのでマナーを守って楽しんで下さい
(執筆:高知さんさんテレビ報道部 川田卓史カメラマン)