今や多くの人が利用しているSNS。便利な一方、そこには危険も潜んでいる。

神奈川県座間市で9人が殺害された事件もSNSが発端だったように、SNSを使って事件に巻き込まれるケースが相次いでいる。

小学生が激増!SNSから性犯罪に巻き込まれる子供たち

去年1年間にSNSをきっかけに事件の被害者となってしまった18歳未満の子どもは1,811人に上っている。
2009年と比べると700人近く増えていて、過去最悪だったおととしとほぼ横ばいで推移している。

殺人や誘拐などの凶悪犯罪に遭うケースもあるが、その多くは児童買春や児童ポルノ禁止法違反、青少年保護育成条例違反など「性」に関する犯罪が多くを占めている。

被害にあった子どもたちを見てみると、高校生が991人で被害者の約半数を占め、次いで中学生が624人。
中・高生で全体の約9割に上っているが、ここで注目すべきは被害にあった小学生だ。

2009年に14人だった小学生は去年55人にまで増えている。
これは決して少なくないし、スマホの普及で被害に遭う子どもたちの低年齢化が進んでいるともいえるだろう。

では、なぜ被害に遭ってしまうのだろうか。

男たちは、あの手この手を使って、被害者の懐に入り込んでくる。

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“SNS被害例”①:「レアの人気スタンプをあげるから」

「スタンプをあげる」というやりとりから始まり、時間をかけて信頼関係を築く。

被害者から「秘密」を聞き出したのち、「裸の写真を送れ。さもなくば秘密をばらす」などと脅し、裸の自撮り画像を送らせる。

“SNS被害例”②:女性に成りすまして安心感を与える

インターネット上などで拾った女性の顔写真などを送り、同性だと相手を信用させる。
スタイルに関する話などから、成りすました女性の下着写真などを送る代わりに、被害者の下着写真を送らせる。

こうしたやり口から子どもたちは「自撮り」要求に応えざるを得なくなり、被害に遭ってしまうケースがあるという。

なぜ?被害者の9割は「フィルタリングかけず」

こうした子どもたちの被害をどう防いでいけばいいのか。

被害者の多くに共通していること、それは「フィルタリング」つまり「閲覧制限」をかけていないケースが多かったということ。

警察が被害にあった子どものフィルタリングの利用状況を調べたところ、利用の有無が判明した1,559人のうち、1,372人(88%)が被害を受けた際には「フィルタリング」をかけていなかったことが判明した。

多くはこの「フィルタリング」機能を知らなかったという。

さらに細かくみると「契約時から利用していなかった人」は1,264人、全体の81.1%。

契約時は利用していたものの、被害にあった際は利用していなかった人は108人で6.9%。
途中でこの機能を外してしまうということは、言い方を変えれば犯罪にあうリスクを高めてしまったということでもある。

「フィルタリング説明」義務付けも・・・結局、親の判断次第

インターネット上で子どもたちが犯罪の被害に遭う事案が相次いだことなどを受けて、去年施行された改正青少年インターネット環境整備法では、スマホなどの販売店に対し、契約の際に18歳未満の子どもが使うかの確認をしたうえで、子どもが利用する場合はフィルタリングの説明をし、設定してから渡すことを義務付けた。

ただ、親が「つけなくても大丈夫」と申告した場合は、設定の必要はないという。

確かに「閲覧制限」で多少利便性が落ちることもあるだろうが、犯罪から子どもの身を守るためには、親と子どもの二人三脚で考え、「フィルタリング」などの機能を最大限利用し、対策していく必要があるだろう。

ある警察庁の幹部は、「便利なツールは、一方で悪用されてしまうと被害に遭ってしまう危険性がある。親と子どもの両者がその問題点ををよく理解して、与え、使う。フィルタリングなどの機能をうまく使って被害に遭わないようにほしい」と話している。

(執筆:フジテレビ社会部警察庁担当・山下高志)